実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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台湾旅行第四日:台北→花蓮→新城→花蓮

  • 少し寒さが和らいだように感じる元旦の朝。近所の丹堤咖啡で朝ごはんをすませ、台北火車站へ向かう。捷運の中は、徹夜明けで爆睡している朝帰りの若者だらけ。
  • 9:00の自強1061號で花蓮へ向かう。花蓮へ行く観光客の九割以上は太魯閣へ行くと思われるが、わたしたちは全然興味がわかないので行かない。日本の免許証で運転できるようになったので、レンタカーを借りて『花蓮の夏』のロケ地めぐりをするのがわたしたちの目的である。


  • 定刻の11:38より少し遅れて、花蓮(花蓮縣花蓮市)に到着(上左写真)。花蓮火車站は街の中心部からかなり離れているのに、この街には市内バスというものが走っていないらしい。歩くしかないと思っていたら、レンタカーのことでFAXのやりとりをしていたおかげで、花蓮統帥大飯店から迎えの車が来てくれていた。
  • 自強號の車内は「殺す気か」と思うほど寒かったが、花蓮に着いてもどんよりと曇っていてひどく寒い。最高気温の予報は20℃だったが、今朝の台北より寒いくらいだ。それなのに、車に乗るなり窓を全開にするホテル従業員。どうやら台湾人は、オープンにするか冷房をギンギンにするかしないと空気が濁って死ぬと本気で思っているらしい。SARSのときの「感染防止のため窓を開けましょう」キャンペーンも一役買っているのかもしれない。
  • チェックインのあと、『花蓮の夏』のロケ地、幹道肉餅で昼ごはん(id:xiaogang:20080101#p2参照)。レンタカー屋のおじさんが13時半にホテルに来てくれて、一緒に事務所へ向かう。車に乗り込んだとたん、窓を全開にするおじさん。わたしたちが中国語を全く解しないと思い込んでいるためか、ひと言も口をきかないところも含め、さっきのホテル従業員と行動パターンがそっくり。
  • 到着した全興小客車租賃有限公司は、個人の小さい事務所。手続きをしてくれたおばさんは、おじさんとは違って社交的。北京語に英語や日本語の単語を織り交ぜて対応してくれた。どこへ行くかと聞かれ、「七星潭」と答えればよかったのだが、「新城」と言ったら理解してもらえず、話の成り行き上、太魯閣へ行くと思われてしまった。道順や所要時間を丁寧に教えてくれるおばさんに申し訳ない気持ちになるが、黙って聞いておく。明日は花蓮縣をぐるっとまわると言うと、「それはいいコースだ」と言われる。
  • 車は日産マーチ。J先生によれば二代目(先代)らしい。ガソリンは自分で入れるということで、近くのガソリンスタンドへ寄ってから台湾初のドライブに出発。運將(運ちゃん)はもちろんJ先生で、わたしはいつもどおりインテリジェントなカーナビ(借りると有料である)。今日の主な目的は、『花蓮の夏』のラストシーンのロケ地探し。まずは七星潭(花蓮縣新城郷)へ向かう。車を停めて浜辺に行ってみる(上右写真)が、このあたりではないようだ。海風が強くてめちゃくちゃ寒い。


  • 海に面した新城郷は、弓形の長い海岸線をもち、海沿いに海岸路(縣道193號線)が走っている。しかし思ったよりも海から離れており、海辺の景色をチェックできないままに北端近くまで来てしまったので、先に新城老街へ行く。ここには『花蓮の夏』のスチルに使われている新城照相館(上左写真)があるが、老街といってもほかにはこれといった建物は見当たらない寂れた町。近くの新城國小で(勝手に)トイレを借りる。
  • ふたたび海岸沿いを花蓮方向へと戻る。海岸へ出る道をいくつか試して、景美あたりでだいたいそれらしい場所を見つける(id:xiaogang:20080101#p3参照)。映画とはアングルが異なるが、ロケ地近くの砂浜に停まったマーチは、けっこうそれらしい雰囲気(上右写真)。暗くなるころに花蓮に戻る。今日の走行距離は50km。
  • ホテルに車を置いて夜の街へ出かける。花蓮はいちおう三度目だが、ダウンタウンまで来るのは初めて。晩ごはんは、花蓮一有名な液香扁食店(id:xiaogang:20080101#p4参照)。おなかにたまるものがもう少し食べたいとJ先生が言うので、溝仔尾夜市に行ったり、街をあちこちうろつくが、夜市は寂れているし、適当な食べ物が見つからない。結局ごはんは諦めて、チェーン店の多福豆花で芋圓豆花を食べ、楊媽媽古早味紅豆餅で大判焼を買って食べる。ここは屋台だけど三十年老店だ。曽記[米麻]糬で夜のおやつも買ってホテルへ戻る。ロビーでは、これから夜の街に繰り出す日本人ツアー客に遭遇。今日の歩数は20904歩。
  • 花蓮統帥大飯店は、部屋もそこそこ広いし、ネットもタダだし、ひととおりのものは揃ったそれなりのホテルだが、全体に古びていていまひとつパリッとしていない。いちばん困るのは、洗濯ロープがないことと洗面台にお湯がたまらない(すぐ抜ける)ことだ。デフォルトでついているエアコン(もちろん冷房)は速攻で切ったが、それでもめちゃくちゃ寒かった。窓の外では、『嵐が丘』のように風がひゅーひゅー鳴っていた。