『ウィーン 小さな街物語』読了。
- 作者: 須貝典子,片野優
- 出版社/メーカー: JTBパブリッシング
- 発売日: 2005/03
- メディア: 単行本
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(p. 4)
「うーん、これはなんか違うな」と思いつつ読みはじめる。わたしの場合だと、エゴン・シーレとかオットー・ヴァーグナーとかパンダとかザッハトルテとか。あとはシュニッツラーとかシュニッツェルとか。
読み終わった結果、オットー・ヴァーグナーとザッハトルテとヴィーナー・シュニッツェルについては書いてあった。ベスト10の中では最も興味のあるカフェについては、書いてはあったけれど不十分。最も読みたかったアプフェルシュトゥルーデルについてはほとんどなし。
ほかに文句を言いたいところが二点。まずひとつめ。ウィーン1区の地図の直後に、「私の『第三の男』の散歩道」という文章がある。当然、地図をたどりながら読む。しかし、この地図はやけにスカスカである。文中にある建物などのほとんどが地図に載っていない。がしゃーん(ちゃぶ台をひっくり返す音)。
ふたつめ。この本の著者はご夫婦である。しかし、どちらがどの文章を書いているのか明記されていない。「まえがき」に、「夫は…」という記述があったので、文章は奥さんが書いているものと思って読み進んでいたら、突然「妻…」と出てきて激しく混乱した。「まさか、イチゴパックをしたのは旦那さん?」とか、「トランクスでドナウに飛び込んだのは奥さんかも」とか、いろいろ想像してしまうじゃないか。「私たち」ではなく「私」の視点で書いている以上、誰が書いたかは明記しておくべきである(ていうか、間違われたらイヤじゃないのかな?←わたしだったらぜったいイヤ)。さらにいえば、おそらくほぼ同じ体験を共有しているはずなので、一方が書いた文章にもう一方が自分の評価や感想を付け加えれば、もっとおもしろいものになると思う。