実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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台湾旅行第一日:台北(大安區→信義區→松山區→中正區)

すぐに出かける。さきほど少しだけ降っていた雨は止んでいるが、今日がいちばん天気が悪いと予想して、近場の台北東部を散策することにする。まずは『台北の朝、僕は恋をする』のロケ地をめざして、捷運で永春へ。駅からほど近い正純小吃店(↓左写真)が、『台北の朝、僕は恋をする』の小凱(姚淳耀/ジャック・ヤオ)の家である。昼ごはんが早すぎておなかがすいたので、ここで水餃でもつまもうと思っていたけれど、まだやっていなかった*1。冒頭で小凱がガールフレンドを見送り、終盤では自分がSusie(郭采潔/アンバー・クォ)に見送られる通り(↓右写真)もすぐ近くにあったが、街燈は風情のないものに替わっていた。


國父紀念館まで捷運で移動して、次は松山文創園區へ。かなり広いのに入口がひとつしかなく、実は市政府站のほうがずっと近かった。ここは、1937年に建てられた台湾総督府専売局松山煙草工場の跡地。1947年に台灣省菸酒公賣局松山菸廠となり、1998年まで生産が続けられた。2009年に来たときは工事中で入れなかったが、いまは、市定古蹟に指定された製菸工廠(↓左写真)、鍋爐房(↓右写真)、倉庫といった歴史的な建造物やバロック庭園などが整備されて公開されている。まだ一部がギャラリーやカフェになっているだけで、本格的な再利用はこれからという感じである。実はここは『DEATH HOUSE 悪魔の館(宅變)』のロケ地だと思うのだが、使われていた建物は見つからなかった*2

ここから市民大道へ出るのにかなり歩く。直線距離はすごく近いのに、松山文創園區の北には台灣鐵路管理局台北機廠の広大な土地があり、適当な道がないのだ。ここの前身は台湾総督府鉄道部台北工場であり、‘我愛台鐵’と書かれた建物(↓左写真)や、市定古蹟の鐵路局台北機廠澡堂(↓右写真)など、そそられる近代建築がいろいろあったので、回り道をして歩いた価値はあった。

古意梅舗で紫蘇梅(NT$200)を買い、餓的要命な状態で庄頭豆花に到着。ちょっとレトロな雰囲気のきれいなお店で、花生と芋圓の冷たい豆花(↓左写真)もおいしかった(NT$45)。難をいえば、きれいなお店の宿命として冷房がかかっていること。冷たいものはやはり開放的な暑いお店で食べたい。

少し歩いて華山創意文化園區(↑右写真)へ。ここは、1914年に建てられた清酒工場、芳醸株式会社の跡地である。その後お酒が専売制になったり、戦後國民政府に接収されたりして、台湾総督府専売局台北酒工場、台灣省菸酒公賣局台北第一酒廠、台灣省菸酒公賣局台北台北酒廠等と名前を変えて、1987年まで生産が続けられた。近代化遺産が取り壊されずに再利用されるのはすばらしいが、台灣各地にある酒、煙草、砂糖などの工場跡地が、みな似たようなアートスペース風になるのは多少気にかかる。それでもここはかなり賑わっていて頼もしいと思ったが、その賑わいのもとは‘GeGeGe鬼太郎の妖怪樂園’なるものであったことはかなり気にかかる。とはいえ、ほかのお店などもけっこう人が入っていた。ここには何度も来ているが、テナントが入って本格的に再利用されてからは初めてなのでじっくり見たかったけれど、急に真っ暗になって激しく雨が降ってきたので、1914 connectionという台湾製雑貨の店で買い物しただけで終わってしまった。買ったのは、型紙を切り貼りしてつくるパンダ作成キット、紙立方貓熊寶貝(NT$249)。

*1:Twitterでいただいた情報によれば、開店は15時とのこと。映画では水餃や麺を売っていたが、実際は水餃はないらしい。

*2:このときは取り壊されたのだろうと思って諦めたが、あとでパンフレットを見たら、なんとその建物が表紙に載っていた。いちばん端にあったようで、そこまでは行っていなかった。残念。