バンガロールに来ちゃったの

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『図説 台湾都市物語 - 台北・台中・台南・高雄』(後藤治、王惠君、二村悟)[B1381]

『図説 台湾都市物語 - 台北・台中・台南・高雄』読了。
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建築の専門家によって書かれた台湾近代建築に関する本がようやく出版されたことを、まずは喜びたい。これまでにも台湾近代建築を扱った本はいくつか出ているが、著者が建築の専門家ではないため、デザインなどに関する記述がどの程度信頼できるかわからなかった。この本の著者は、残念ながら台湾建築史の専門家ではないらしいが、建築物の保存や修復に関する専門家であり、その仕事のなかで台湾の建築とも関わってこられたようだ。台湾近代建築は、近年、修復・保存の動きが盛んなので、こういった本を書くのにはふさわしいのではないかと思う。

扱われているのは、台北市台中市台南市高雄市で、各都市の都市建設の歴史を概略したのちに、主要な建築が紹介されている。ほとんどは行って見たことのある建物だが、いくつか未見のものもあるので、今後の旅行の参考のためメモしておく。

  • 台北:蔣介石士林官邸、撫台街洋樓(あの場所にあってなぜわたしは見たことがないのか不思議)、西本願寺高砂麦酒株式会社、営林共済組合宿舎
  • 台中:台中警察署庁舎、宮原武熊別荘、台中放送局、専売局台中支局台中酒廠
  • 台南:台南大正公園警察派出所、安平樹屋
  • 高雄:高雄市武徳殿、愛国婦人会館、蔣介石行館

この本には残念ながら、ひとつ致命的な問題点がある。それは、住所が書いてないことだ。建物がひとつひとつ紹介されているのに、住所がないのはかなり奇異なことだし、載っている大まかな地図では行けないところも多いと思う。住所を載せるという最も基本的なところははずさないでほしい。

もっとこうなっていたらいいなあという点は多々あるが、ひとつだけ挙げると、取り上げられる建築の数が限られているなかで、戦後の建築や寺廟などにページが割かれているのはもったいない。それらの情報はふつうのガイドブックにもそれなりにあるので、その分を近代建築に割いてほしかった。特に、商店建築や個人住宅が比較的手薄なのでそのあたりに。