新文芸坐の特集「最後のドン 追悼・岡田茂 東映黄金時代を作った男(チラシ)で、マキノ雅弘監督の『日本侠客伝』を観る。17年ぶり三度め。
- 出版社/メーカー: TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
- 発売日: 2014/12/05
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まだ仁侠映画のスタイルが確立されていないので、いつものパターンを期待するとがっかりするところもあり、逆にスタイルの確立過程を見る楽しみもある。のちにメインキャストに集中する役まわりが、いろいろな人物に分散している印象があり、たとえば男女の情感みたいなものは、高倉健と藤純子ではなく、中村錦之助と三田佳子がもっぱら引き受けている。このふたりのシーンは、クルクルまわりながら演じるマキノ式メロドラマが全開だったのでうれしかった。
また、『昭和残侠伝』シリーズで健さんと池部良が演じたような、敵対する組にいるふたりの友情的なものは、これもまた健さんではなく、大木実と品川隆二が演じている。大木実はともかく、相手役が大物ではないところにまだ発展途上なのを感じとることができるが、これだけ豪華キャストなのだから、もっと別の人を当てればよかったのにと残念に思われる。
藤純子は出番も少ないけれど、「わたしには、わからないわ」とか言ってかなりバカみたいな役で残念。まだデビュー2年めだからしかたがないのかもしれないが。