実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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『レイン・オブ・アサシン(劍雨)』(蘇照彬, 吳宇森)[C2010-63]

新宿武蔵野館で、蘇照彬(スー・チャオピン/スー・ジャオビン*)監督、吳宇森(ジョン・ウー)監督の『レイン・オブ・アサシン』を観る。

香港から楊紫瓊(ミシェル・ヨー)、余文樂(ショーン・ユー)、林熙蕾(ケリー・リン)、鮑起靜(パウ・ヘイチン)、台湾から徐熙媛(大S/バービー・スー)、戴立忍(レオン・ダイ)、吳佩慈(ペース・ウー)、金士傑(チン・シーチェ/ジン・シージエ*)、中国から王學圻(ワン・シュエチー*)、郭曉冬(グオ・シャオドン*)、韓国から鄭雨盛(チョン・ウソン)と、各国スターを集めた中国・香港・台湾合作の武侠映画。キャストがちょいと渋めなのがいい。

暗殺組織・黒石に属する林熙蕾が、「ふつうの女の子に戻りたい」と言って顔を楊紫瓊に変え、平凡な生活をはじめるが、かつての仲間や敵がそうはさせてくれない、というお話。わたしは基本的にはリアルな時代背景のある映画が好きで、荒唐無稽なファンタジーは苦手である。しかし中国がらみの大作では、歴史や民族はあまりリアルに絡まないほうがいい。これはそのあたりがほどよい感じで、わりと安心して楽しめる。

主要な登場人物が多すぎ、内容も盛り込みすぎで、人物が中途半端にしか描かれていないし、総集篇っぽくバタバタと展開していくところもあってちょっと残念。みんなが達磨の遺体を求めたり、戦いに赴いたりする理由も、いまひとつ不明瞭だったり実感がわかなかったりするのだが、王學圻だけは動機がたいへんわかりやすくてよろしい。あまりネタバレ的なことは言わずにおくが、宦官ネタはたいへん気に入ったとだけ書いておく。

アクションは、そんなにCGを駆使したりしていなくてよかった。やたらとくるくるまわったりするのはけっこう好きだ。