今日から始まる「中国映画の全貌2010」(公式)も、今回の帰宅の大きな目的のひとつである。というわけで朝から新宿へ。会場が新宿K's cinemaに移ってから、「中国映画の全貌」に行くのははじめてだ。
今回特別公開される二本はいずれも台湾との合作。一本めは丁乃箏(ティン・ナイチョン)監督の『シャングリラ』。これは去年のNHKアジア・フィルム・フェスティバルで上映されたけれども観そびれていたもの。雲南が舞台とのことで、正直あまり興味がなかったが、台湾の監督だし、表演工作坊がらみだということで、いちおう観ることにした。
映画は、幼い子供をひき逃げ事故で亡くしたショックから立ち直れない母親(丁乃箏/チュウ・チーイン)が、息子の残した宝探しゲームに導かれるように雲南省(チベット族自治州)を旅して、癒しとか許しとかを得るというもの。予想どおり、あまり興味をもてないフィルムだった。その理由は次のとおり。
- わたしは子供がいないし、子供がきらいなので、このような設定に対して感情移入できない。殻にこもっているヒロインの暮らしが何不自由ないものなのが、さらに腹立たしさを増幅させる。
- 神秘的な場所で非日常的な体験をして癒される、みたいなお話がとにかくきらい。
- きれいな景色なのかもしれないが、大自然の絶景には興味がない。
- チベットとか少数民族とかに興味がわかない。マイノリティには興味があるのに少数民族に興味がない(特に旅行や映画において)のは、ツーリズムにおいては少数民族のほうがメジャーだからなんだと思う。旅行先が澎湖島とか北京だったら、もう少しノレたかもしれない。
- ヒロインは息子に導かれるように旅をしているので、そこで出会うものには何らかの意味があると思いこんでも不思議ではない。だから目の前に若くてイイ男(という想定なんだろう)が現れたら、ついついくっついてしまっても納得できる。問題は、この男(吳中天/ウー・チョンティエン)がちっともイイ男ではないことである。超苦手なタイプ。ダンスもお断り。
特筆すべきは、ヒロインのダンナの役で尹昭徳が出ていたこと。別にファンでもなんでもないが、おっさんになっていたのがショックだった(けっこうかっこいいおっさんではあるが)。『飛侠阿達』[C1994-15]から約15年、『夜に逃れて』[C1999-38]から約10年、おっさんになって当然といえば当然なのだが、ショックに感じるのはなぜだろう(ノーコメント)。