実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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『愛に関するすべてのこと(得輭炒飯)』(許鞍華)[C2010-23]

東京国際映画祭20本めは、同じく六本木ヒルズで許鞍華(アン・ホイ)監督の『愛に関するすべてのこと』(TIFF紹介ページ)。アジアの風・アジア中東パノラマの一本。

それぞれ望まない妊娠をしたレズビアンカップルの、子供を産むかどうかの選択をコメディタッチで描きつつ、同性愛や家族のあり方について問題提起をした映画。同性愛カップルと子供の生物学上の親とが新しい家族のかたちを模索していくという結末は『ウェディング・バンケット[C1993-15]に似ているが、こちらは子供が二人いるうえに、養子をほしがっている友人のレズビアンカップルもいっしょになって子育てをしていこうとする点が、より複雑なものになっている。わたしは「血」には興味がなくて(『昭和残侠伝 死んで貰います』[C1970-09]の「血だな」のシーンは好きだけど)、いっしょに暮らしている人、家族でありたいと思う人が家族なのだと思っている。だから、このような新しい家族のかたちを提起していくものには好感がもてる。

主人公のレズビアンカップルを演じるのは呉君如(サンドラ・ン)と周慧敏(ヴィヴィアン・チョウ)。男っぽい呉君如とかわいらしい周慧敏という、いかにもなわかりやすい配役は好きになれない。しかもわたしはこの二人があまり好きではない。久しぶりの周慧敏(というか動くの見るのはたぶんはじめて)はあいかわらずかわいいけれど、彼女の顔は好きなタイプではないうえに、ものすごくつくりものっぽくて苦手だ。

コメディであるためか全体的にリアリティがあまりないので、それと社会派的なものとの融合は、必ずしもうまくいっていないように見受けられる。