『イタリア都市の諸相 - 都市は歴史を語る』読了。
著者の
フィレンツェ生活体験に基づいた、エッセイ風の前半はけっこう楽しめる。しかし、論文風の後半はちょっと期待はずれだった。論文風だからというわけではもちろんない。わたしは都市や建築や歴史に興味があるが、その対象は19世紀後半以降で、それ以前にはあまり興味がない。ところが、イタリアのように歴史の長い地域では、都市の主要な骨格は
ルネサンス時代にできたとか、果てはローマ時代にできたとかいう話になって、そうなるともうどうでもいいやという気になってしまう。研究の対象が、
フィレンツェとか
トスカーナとか、イタリアのなかでも興味のうすいところなのも、あまりのれない要因のひとつだろう。