実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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第21回東京国際映画祭総括

今年の東京国際映画祭について、とりあえずまとめておく。

  • 観た数は14本と少なめ。去年懲りたこともあり、提携企画は観なかった。
  • 観た映画には満足している。特に気に入ったものを挙げると、『九月の風』(id:xiaogang:20081023#p1)、『ポケットの花』(id:xiaogang:20081025#p3)、『些細なこと』(id:xiaogang:20081021#p2)、 『ムアラフ - 改心』(id:xiaogang:20081019#p4)といったところ。今年もまた、マレーシア映画がすばらしかった。
  • 映画祭期間中に通販で買ったもの。『些細なこと』の香港版DVD、陳百強(ダニー・チャン)の5枚組CD、『ポケットの花』のマレーシア版DVD。遅ればせながら何でもかかるDVDプレイヤーを買ったので、もうリージョンコードの悩みとはさよならなのだ。
  • コンペティション部門は『トルパン』(id:xiaogang:20081019#p2)1本しか観なかったが、これがグランプリを獲得した。観た理由は予定が合うアジア映画というだけで、何か期待があったわけではない。グランプリという結果は、獲って当然というほどではないが、ひどい選考というわけでもないと思う。
  • 残念だったのは、許鞍華(アン・ホイ)監督の『生きていく日々』が観られなかったこと。地味そうな映画だが、評判もいいようなので、ぜひともどこかで公開してほしい。
  • 公開といえば、映画祭で上映された作品がもっと一般公開されるような方策を、そろそろ考えるべきだと思う。一般公開が難しい作品があるのは理解できるので、全部とはいわないが、彭浩翔(パン・ホーチョン)とヤスミン・アハマドが公開されないのが不思議でならない。
  • 金綺泳(キム・ギヨン)とラシード・マシャラーウィの特集上映も好企画だったが、残念ながら十分観ることができなかった。今回だけではもったいないので、ぜひどこかでまた上映されることを希望する。できればアテネ・フランセじゃなくてフィルムセンターあたりでやってくれるとありがたい。
  • 運営に関しては、もう慣れたとか、毎年のことで文句を言うのも面倒だとかいうのもあるが、基本的には去年までより悪くなってはいない。ティーチ・インで、写真を撮るなとか録音するなとか言わなくなったのがうれしかった。でもその前にもう、そんなことをする気をすっかりなくしているのであるが。
  • 公式プログラムやサイトは、マシになっているところもあるが、あいからわずヘンなカタカナ表記やいいかげんな内容も多い。毎年ついプログラムを買っていたが、あまりにも内容がないので来年は絶対買わないと決意した(アジアの風のプログラムが復活したら別)。

東アジアでも五番め以下なのに(上には少なくとも香港、釜山、山形、東京フィルメックス(順不同)がいる)、世界で四番めの映画祭をめざすなどと見果てぬ夢をみるのはやめて、東京ならではのオリジナリティをめざすべきだと思う。それは決して「エコ」とかではないはずだ。