実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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『サイボーグでも大丈夫(싸이보그지만 괜찮아)』(朴贊郁)[C2006-36]

新宿へ移動し、セガフレードでアッフォガートを食べてから新宿武蔵野館へ。朴贊郁(パク・チャヌク)監督の『サイボーグでも大丈夫』(公式/映画生活/goo映画)を観る。念のため阿佐ヶ谷へ行く前に整理券をもらっておいたので大丈夫だったが、今日もまだ毎回満席のようだった。韓流おばさんたちもたいがい観尽したころだと思うのだが。

朴贊郁監督の映画は、『オールド・ボーイ[C2003-24]を観て「もういいや」と思ったのだけれど、李英愛(イ・ヨンエ)が出ているからと『親切なクムジャさん[C2005-19]を観、また予告篇に惹かれて『サイボーグでも大丈夫』を観る。予告篇を観たところでは、ヒロインが自分がサイボーグだと思い込んでいるうちに本当に殺人マシーンと化してしまう、というお話を想像していた。実際はかなり違っていて、殺戮シーンもヒロインの頭の中の世界だったが、それが映像化されているところや、その血みどろさ加減が朴贊郁らしくてよい。

精神病院を舞台に、自分がサイボーグだと信じ込み、ごはんを食べない女の子、林秀晶(イム・スジョン)に、鄭智薫(チョン・ジフン/ピ)がいかにしてごはんを食べさせるかを描いたもの。前半は、笑いのツボというかタイミングというかが合わなくて、けっこう辛かった。でもだんだん「かわいらしくていいんじゃないの」と思うようになった。メルヘンチックなものが苦手な私に拒否反応を起こさせなかったのは、主演のふたりのほんわかした雰囲気(ただし、ほかの患者たちはかなり苦手だった)と、それとうまくマッチした韓国語の響きである。メカニックなものに対しては、それがハイテクっぽいほど嫌悪感を抱くのだが、この映画はけっこうローテクっぽくてよかった。充電が終わると足の爪がレインボーカラーに光るところと、指から弾丸が飛び出す殺戮シーンが好き。

でも、心の病の裏にある痛みみたいなものはほとんど感じることができなかったし、とりあえず「やっぱり朴贊郁はもういいや」と思っている。実は「金基徳(キム・ギドク)ももういいや」って思っていたのだが、張震(チャン・チェン)なんか出されては次も観ないわけにはいかない。朴贊郁もどうなることやら。王ろじでとんかつセットを食べて帰る。

ところで、日テレNEWS24のキャスター、中島静佳さんはサイボーグだと思います。