実録 亞細亞とキネマと旅鴉

サイトやFlickrの更新情報、映画や本の感想(ネタばれあり)、日記(Twitter/Instagramまとめ)などを書いています。

『学生社長』(川島雄三)[C1953-26]

BLESS COFFEEでプリンを食べてから、ふたたびフィルムセンターの「映画監督 川島雄三」。今度は鶴田浩二主演の『学生社長』(goo映画)を観る。あいかわらず混んでいるが、前の回よりは少ない。川島雄三はこれまでほとんど観ていないので、今回の特集はたくさん観るチャンスだったけれど、たぶんこれで最後。たったの三本しか観られなかった。せめて鶴田浩二様出演作だけは全部観たかったが、結局これだけ。

鶴田浩二を含む三人の学生が鎌倉・江ノ島で観光ガイドをするシーンで始まり、『適齢三人娘』のような軽やかなコメディを期待する。ところがそのアルバイトの収入をスられると、スリからの更生だとか生き別れた親子の再会だとか、やたら重たいメロドラマになっていく。日守新一がスリの親分と社長の二役だが、せっかくのそっくりさんネタもいまひとつ有効に機能していないように思われる。スリのほうの日守新一と、その娘の角梨枝子の演技が大仰で、観ていてかなり辛かった。高橋豊子や桜むつ子といった豪華脇役陣も、いまひとつ生かされていなくて残念だ。

鶴田浩二もいまいち冴えない。貧乏学生役なので、終始学生服の上に変なジャンパーを着ている。いい男だと言われて、「おおむねそういった評判だな」(うろおぼえ)と答えるところが一番おもしろかった。

天龍で餃子を食べて帰る。