バンガロールに来ちゃったの

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『博徒七人』(小沢茂弘)[C1966-45]

今日は病院へ行くのでお休み…なのだが、病院の前に池袋へ。新文芸坐の「鮮烈なる東映'50s〜'70s」特集の第二部「俳優 鶴田浩二の道」で、小沢茂弘監督の『博徒七人』を観る。『日本暗殺秘録』[C1969-22]と並んで、テレビ放映&ソフト化できない伝説の笠原和夫脚本作品を、やっと観ることができた。

いずれも障害をもつ七人の博徒を描いたもの。鶴田浩二は片目、藤山寛美は片腕、山本麟一は片足、待田京介は盲目、小松方正は傴僂、山城新伍は聾唖、大木実は顔半分に火傷の痕がある。障害があるぶん、みなそれぞれ得意な武器や得意技があり、大木実を除いてみなとても明るい。障害を強調するためにオーバーアクション気味だが、各俳優がとても楽しそうに演じている。

特にいつもと違うのは、鶴田浩二小松方正山城新伍鶴田浩二はいつもの渋さはなく、明るくはじけている。小松方正はめずらしくいい人で、なんだかおめめキラキラ。いつもぺちゃくちゃうるさい山城新伍が唖というのも新鮮である。盲目の役をかなり大袈裟に演じている待田京介は、『按摩と女』[C1938-07]徳大寺伸日守新一を連想させる。やまりんは時々やっている明るいほうの役柄の感じ。いつもと変わらないのは藤山寛美。片腕だから障害も目立たないし、キャラクターもこれ以上明るくなりようがない。

この六人がやたら明るく、障害に対するコンプレックスを微塵も感じさせないのに対して、大木実はめずらしく暗い。顔に火傷があるために、親分の娘の桜町弘子に引け目を感じており、たしか全く笑顔を見せなかったと思う。

石切り場をめぐって対立している親分が加藤嘉金子信雄で、どちらがいい親分でどちらが悪い親分かは観客には明らかだが、加藤嘉が雇っている大木実が乱暴者であることもあり、島の人々にとってはあまり明らかではないようである。他の六人は、はじめは金子信雄に雇われていてだんだん状況がわかってくるという感じだが、そのへんがいまひとつすっきり描かれていないのが残念。