バンガロールに来ちゃったの

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『ウィンター・ソング(如果・愛)』(陳可辛)[C2005-44]

フィルメックスのあとは、有楽町スバル座で陳可辛(ピーター・チャン)監督の『ウィンター・ソング』(公式映画生活)を観る。陳可辛といえば、かつて『君さえいれば 金枝玉葉[C1994-48](asin:B00005FX11)でかなりがっかりさせられたことがある。でも『ラヴソング』[C1996-20](asin:B00005ELJB)はかなり好き(でも映画としてはダサいと思う)。『ウィンター・ソング』は周迅(ジョウ・シュン)主演ということでよく調査せずに観たのだが、『君さえいれば』以上にがっかりさせられた。

全篇を覆うファンタジー色は陳可辛本来のもので、私は基本的に苦手だが、特に池珍熙(チ・ジニ)が演じた天使みたいなのが出てくる設定。ああいうのは私は受けつけない。この時点でほとんどアウト。

現実の金城武、周迅、張學友(ジャッキー・チュン)の関係が、映画中映画で三人が演じる人物と重なっていくという話だが、もっと両者が相互に侵食しあい、境界が曖昧になっていかないとおもしろくない。だいたい、ミュージカルもあまり冴えず、映画中映画に全然魅力が感じられなかった。それに、登場人物の設定が陳腐かつ抽象的で、肉付けが乏しい。10年前の回想が描かれてはいても、彼らがどういう10年を過ごしてきたのかが、どうも具体的に見えてこない。

周迅は悪くないのだが、10年前の雰囲気が無邪気すぎる。彼女は、幼い雰囲気と大人っぽい雰囲気が共存しているので、両方の魅力を見せたいと監督は思うのだろうが、どうもこういう極端なのが多い。もっと素な感じの彼女を見たい。周迅は好きな女優だけど、彼女が出ているだけでイマイチな映画がすばらしくなるという域にはまだ達していないと思うので、もうちょっと作品を選んで出てほしいと思う。

張學友は歌い上げすぎでうざい。ミュージカルではなくミュージカル映画だし、そんなに歌い上げなくてもうまいのだから、抑えて歌ってほしかった。それから、たぶん彼が歌っていた歌(公式サイトでも流れる曲)は、小林旭の『やくざの詩』に似ている。