実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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『日本侠客伝 関東篇』(DVD)[C1965-19]

今日は花火大会なので、花火の出てくる映画、『日本侠客伝 関東篇』(マキノ雅弘)を観る。『関東篇』はこのシリーズで一番好きな映画だが、『血斗神田祭り』が思いのほかよかった(id:xiaogang:20060803#p2)せいか、これは思っていたよりも見劣りした。花火のシーンなど、やはりスクリーンじゃないと臨場感がないせいかも。

日本侠客伝 関東篇 [DVD]

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日本侠客伝シリーズは、タイトルに反して主人公たちはカタギであるものが多いが、本作も舞台は魚河岸。高倉健は、船に乗り遅れたためにしばらくの間魚河岸で働く機関士で、刺青さえない。いつもと違って脳天気で青臭い好青年で、ヤクザに向かって「ヤクザくん」を連発。ヒロインは藤純子ではなく南田洋子だが、健さんは女性に対してもわりに積極的である。やたらと上半身ハダカを誇示し、南田洋子鶴田浩二から奪うのだが、最後は鶴田浩二に熱い視線を送り、一緒に逮捕される、というお話。健さんのハダカを見た南田洋子の目が一瞬輝くのを見逃してはならない。

特別出演の鶴田浩二はもちろんヤクザ。青臭い健さんにくらべて鶴田浩二の渋さが引き立つ映画だと思っていたが、今回は、魚を買い付けに行くあたりから健さんに貫録が出てくるところが印象に残った。ちょっと青年の成長物語風の趣がある。

悪役は、本作も天津敏&遠藤辰雄コンビだが、遠藤辰雄長門裕之に撃たれちゃったりして精彩を欠き、むしろ天津敏&山本麟一コンビで大活躍。やまりんは、どちらかといえばいい役のほうがいいのだが。