実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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『ブレイキング・ニュース』

午後は、旧ユーロスペースを改装したシアターN渋谷へ、杜[王其]峰(ジョニー・トー)の『ブレイキング・ニュース』を観に行く。劇場は、一見変わったように見えて実はたいして変わっていない。なのに、ユーロスペースでは使えたぴあミニシアター回数券が使えないのが許せない。

杜[王其]峰は、『ザ・ミッション 非情の掟』(asin:B00005USOM)以降、すっかり「作家」ということになっている。でも杜[王其]峰といえば、まず『過ぎゆく時の中で』(asin:B000BIX7V0)の監督だし、『魔界ドラゴンファイター』なんてものも撮っているし、最近になってからでさえ、『ターンレフト ターンライト』(asin:B000B63CXU)なんかに名を連ねている。「作家?ほんとかよ」という感じだ。それでも『PTU』(asin:B0009VEBQO)を観てから「うーん、作家かも」と思い始めた。映画祭で壮絶なチケット争奪戦に加わってまで観ようとは思わないが、公開されたら観ておきたい監督ではある。

というわけで『ブレイキング・ニュース』だが、いきなり冒頭から長回しの銃撃戦。マスコミを巻き込んでの警察と強盗犯との対決を軸に、組織犯罪課のエリートと現場の刑事の対立や、警察の誘導を待たずに勝手に避難しようとして犯人に遭遇してしまう家族、たまたま強盗犯と同じアパートにいたために巻き込まれる殺し屋(なかなか渋い)などを登場させ、最後まで目を離せない展開ですごく楽しませてもらった。思わず犯人側を応援してしまうのは狙いどおりだと思うが、警察側、というか陳慧琳(ケリー・チャン)にはもう少し魅力がほしい。

強盗犯のリーダーが任賢齊(リッチー・レン)。映画で(というか演技しているところを)観るのは初めてだが、観終わってからずっと、映画の雰囲気とはそぐわない彼の歌が頭の中で鳴り響いていて困った。對面的女孩看過來、看過來、看過來♪ 古いですか? すいません。

全く異なるテイストの今日の映画2本、共通点はオナラだった。オナラ映画といえばやはり『お早よう』ですね。

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