実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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『女番長 感化院脱走』(中島貞夫)[C1973-29]

シネマヴェーラ渋谷の特集「中島貞夫 狂犬の倫理」(公式)で、『女番長 感化院脱走』を観る。『女番長』シリーズ第五作らしいが、このシリーズを観るのは初めて。

女番長 感化院脱走 [DVD]

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感化院で同室の5人の少女が脱走する話。5人はいったん解散してそれぞれ逃げ、そのうちのひとり、杉本美樹は、農協強盗犯の渡瀬恒彦と出会い、ふたりで逃避行をする。最後は、杉本美樹の逃亡予定地だった内灘(知らなかったけれど、石川県のようだ)の海水浴場にみんながなんとなく合流し、やがてやってきた警察と対決する。

感化院生活と脱走生活しか描かれていないので、スケバンのシーンはない。シリーズの他の作品とは、どうやらかなり雰囲気が違うようだ。いかにもサービスという感じでおっぱいはたくさん出てくるが、女の子たちは意外に無邪気な感じで、脱走してからあとは青春映画っぽいテイスト。とにかく金網のないところへ逃げたいというのは、非現実的でちょっと青臭いけれども、ラストもなんだかさわやか。

前半の感化院の悲惨な状況も、所長が金子信雄、所員が室田日出男なので、陰湿というよりはインチキくさくて笑える雰囲気。お役人を前にしたふたりの猿芝居が楽しい。