実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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香港旅行第三日:上環→中環→尖沙咀→旺角

尚豪酒店をチェックアウトし、MTRで中環へ。機場快綫の香港站でインタウン・チェックインをする。荷物は預けない主義なのだが、身軽になって直前まで遊ぶため、今回はしかたがない。しかし、この時点で荷物を預けると、iPadを持ち歩かなければならないという罠があった。

天星小輪で尖沙咀へ。中環天星碼頭が移転してからはじめての香港。『東京ギャング対香港ギャング』[C1964-21]にも出てきた第三代中環天星碼頭がなくなって残念だ。新しい第四代の碼頭は第二代を模したものだということで、デザインはクラシックだが実は新築ピカピカ(↓左写真)。また上層に乗ってしまったせいか、クリスマスの朝のフェリーはガラガラだった(↓右写真)。


尖沙咀では、まず前九廣鐵路鐘樓へ。1915年竣工、香港法定古蹟。『東京ギャング対香港ギャング』でもちょっとだけ映るが、『ならず者』[C1964-31]では、冒頭、健さんがこの鐘樓のそばでターゲットを待っている。2番めのショットが鐘樓と健さんのツーショットだ(↓左写真)。当時はただの鐘樓ではなく、尖沙咀火車站である。

ターゲットを殺した健さんは、白い車を追って梳士巴利道を彌敦道方面へ。このとき、基督教青年會(YMCA of HK)梳士巴利道中心と九龍消防局が見える(↑右写真)。基督教青年會の建物は建て替えられており、九龍消防局は1881 Heritageの一部になって上海灘が入っている。前九龍消防局は、1920年竣工、香港二級歷史建築物。

彌敦道を北上し、佐敦あたりから廟街に入る。『ならず者』で、逃走中の健さんがコインを投げるゲームをするシーンには、‘上海街’の標識が見えるショットがある。そのショットの左手奥には赤く装飾した低い建物が見えていて、もしかしたら天后廟かもしれないという安易な予測をして来てみたら、やはりそうだった(↓左写真)。‘上海街’の標識はなくなっているが、意外なことにその標識があった建物は残っていた。この建物は街市街公廁。なんと、トイレの前でゲームが行われていたのだ。ちなみにここは、香港で最大の公廁だそうだ。


天后廟(↑右写真)は煉瓦の塀で囲まれているが、これは当時はなかったものと思われる。『ならず者』の撮影時期は春節のころだったということなので、赤い装飾はそのためかもしれない。天后廟周辺も大きく変わっていて、映画では前を車が走っていたり、まわりにごちゃごちゃと建物があったりするが、いまは油麻地社區中心休憩花園という公園である。『つきせぬ想い(新不了情)』[C1993-37]に出てきたころと比べても、緑が多くなってゆったりした雰囲気に変わっている。

油麻地あたりはもっと再開発されてしまったかと思ったら、まだまだ古い街並みが残っていた。交差点ごとに角の丸い唐樓があるのがうれしい。↓左写真は有名な美都餐室、右写真は通りすがりの建物。


『いますぐ抱きしめたい(旺角卡門)』[C1988-46]のロケ地である油麻地戲院や市場も健在。油麻地戲院は1930年竣工、香港二級歷史建築物で、現在改装中で営業はしていない(↓左写真)。市場は以前は九龍蔬菜批發市場だったが、現在は九龍水果批發市場のようだ(↓右写真)。

旺角まで歩いて中國冰室(↓上左写真)で遅めのおやつ。ここは『PTU』[C2003-27]のロケ地だが、今回は画像をチェックしてきていないので、純粋にレトロな雰囲気(↓上右写真/下左写真)とお茶を楽しむ。菠蘿油(↓下右写真)、奶茶などでHK$36。実はこれが菠蘿油初体験だが、想像どおりの味でおいしかった。


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