実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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香港旅行第二日:中環

炮台里へ。前法國外方傳道會大樓(現・香港終審法院)(↓左写真)や聖約翰座堂(St John's Cathedral)(↓右写真)があり、公園のようになっている。意外にも観光客がたくさんいたが、日本人は見かけない。ふつうの(建築マニアではない)日本人観光客が、香港で教会や建築を見るというのは想像できないのだが(澳門では見るだろう)、ガイドブックには載っているのだろうか。前法國外方傳道會大樓はLeigh & Orange建築師事務所設計、1917年竣工。聖約翰座堂は1849年竣工。ともに香港法定古蹟。


聖約翰座堂は実は『神火101 殺しの用心棒』[C1966-49]のロケ地である。花園道側から見ると、現在は聖約翰座堂、長江公園、長江集團中心と並んでいるが、当時は長江公園の場所に立体駐車場が、長江集團中心(↓左写真)の場所に希爾頓酒店(HK Hilton)があった。希爾頓酒店は『東京ギャング対香港ギャング』[C1964-21]で健さんが泊まっているホテルだが、『神火101 殺しの用心棒』の冒頭にも出てくる。盗聴器が仕掛けられた部屋で銃撃戦が勃発するところだ。花園道をはさんで向かい側の、現在中銀大廈、花旗銀行大廈、中國工商銀行大廈があるところは、当時広大な駐車場で、ここで録音テープをめぐってさらに銃撃戦が繰り広げられる。そのシーンの最後のほうで聖約翰座堂が映っており(↓右写真)、これが当時の面影を残すほとんど唯一のものだ。この駐車場からは立法會大樓なども見えていたが、今は高層ビルだらけで空さえろくに見えない。

新しいほうの中銀大廈よりずっとかっこいい中國銀行大廈へ。まずは、銀行街側から『欲望の翼(阿飛正傳)』[C1990-36]に出てくる時計を見る(↓左写真)。張曼玉(マギー・チャン)が劉徳華(アンディ・ラウ)の巡回についていくシーンで出てくるところ。表にまわる。『神火101 殺しの用心棒』で、車に乗った竹脇無我がガールフレンドの一人と偶然会うのも中國銀行大廈の前(↓右写真)。中國銀行大廈は、Palmer & Turner設計、1951年竣工、香港一級歷史建築物。

次は皇后像廣場。『東京ギャング対香港ギャング』にも出てくるが、『ならず者』[C1964-31]では健さんと三原葉子が待ち合わせをするところ。そのシーンの最初のショットでは、三原葉子が和平紀念碑の前で待っている(↓左写真)が、彼女が立っていたところは立ち入り禁止だった。和平紀念碑は香港一級歷史建築物、右後方に見える立法會大樓は、Aston Webb、E. Ingress Bell設計、1912年竣工、香港法定古蹟で、この当時は最高法院。健さんがやってきてふたりで話しているところでは、煙草をくわえるときに健さんのうしろに文華東方酒店(Mandarin Oriental)が見えている(↓右写真)。

同じく『ならず者』で、山頂で鹿内タカシと待ち合わせた三原葉子は、まず山頂纜車(ピークトラム)に乗り、それから香港電車(トラム)、人力車と乗り継いで、麻薬横取りの相談を続ける。そのトラムの場面で走っているところのひとつが徳輔道の香港滙豐總行大廈の前(↓左写真)。といっても現在の第四代ではなく、1935年竣工の第三代のもの。ほかの建物もほとんど替わってしまっている。

これにて今日の主な任務は終了。今日はいちおうクリスマス・イヴで、皇后像廣場にはクリスマスツリーやTIFFANY提供のこんな回転木馬もお目見えしていた(↑右写真)。ちょいと乗ってみたかったけれど、行列ができていたのでやめる。


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