実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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香港旅行第二日:半山區→上環→中環

ふたたび上環方面に戻り、城皇街を下る。永利街と交差するあたりは、『東京ギャング対香港ギャング』[C1964-21]のロケ地と思われる。冒頭の、内田良平が健さんをつけていくシーンで、最後に健さんが内田良平に声をかけるちょっと前の部分で、まず健さんが石段を下り、そのあと内田良平が同じところを下る(↓左写真)。背後に永利街の角の、特徴的な建物が見えている。


未見だが、“歲月神偷”のロケ地になり、保存が決まった永利街は、建物のリストアが進行中だ(↑右写真)。当然、修復前のボロい建物のほうが味があり、全部終わるとピカピカな感じになりそうなのが懸念される。

そのすぐ下の、必列者士街街市のあたりも『東京ギャング対香港ギャング』のロケ地で、前回も確認したところ。上述の、永利街附近を下る直前、健さんは士丹頓街を東から歩いてきて街市の前で立ち止まり(↓左写真)、城皇街を下っていく(↓右写真)。そのあと内田良平が同じコースをたどる。ここで城皇街を下っているのに、その直後に城皇街のここより上を下っているというのは実際にはおかしい。


ここまでで午前の部は終わりにして、蘇杭街まで一気に下る。永合成餐廳餅店で早めの昼ごはん。窩蛋牛肉煲仔飯(↓左写真)、青菜(↓右写真)、例湯などでHK$98。今日の例湯はボルシチ風。煲仔飯が炊けるまでかなり待たされるので、空腹感に比例して期待感もいや増す。ついに運ばれてきた窩蛋牛肉煲仔飯は、おいしかったけれど期待ほどではなかったかも。

昼食後はふたたび樓梯街へ行き、四方街で曲がる。『東京ギャング対香港ギャング』で、龍を訪ねるため樓梯街の石段を下りてきた健さんは、四方街へ左折する。その次のショットで歩いているのが四方街(↓左写真)。案内役の男を見つけて声をかけるのもこの通りだが、その場所はわからなかった。このあと健さんはこの男と龍の事務所まで歩くので、水池巷など周辺を歩いてみたが、出てくるところはぜんぜんわからなかった。

上環での仕事はいちおう終了したので、中環方面へぶらぶら歩く。卑利街でパンダの看板に惹かれてMORN CREATIONS(日出意念)のお店に入り、パンダのエコバッグを買う。オリジナルキャラクターらしいパンダはいまひとつかわいくないのだが、パンダの顔型のポケットにたたんで入れられるのが気に入った。伊利近街と些利街の交差点で、『恋する惑星(重慶森林)』[C1994-38]などのロケ地でもある行人電動樓梯に遭遇(↑右写真)。残念ながら今回は乗る暇がなさそう。

域多利監獄などの古い建築群を通り過ぎて徳己立街周辺へ。ここも『東京ギャング対香港ギャング』のロケ地で、歷山大廈前で待ち合わせをした健さんと内田良平が、次のショットで歩いているのが徳己立街。そのことは、映画に映っていた冰室の看板を古い写真で見つけてわかったのだが、今では建物も看板もすっかり変わっているので確認のしようもない。そのあとふたりが歩いているのは、徳己立街を曲がったところ(↓左写真)と、この崖の上の細い道(↓右写真)だと思われる。ここも建物などはすっかり変わっているが、地形が特徴的なのでわかった。ふたりはその後も細い石段を上ったり下ったりしてキークラブへ行くのだが、ぜんぜんあてがないので諦めて石段探索はこれにて終了とする。


近くまで来たついでに蘭桂坊へも行ってみる。『恋する惑星』ロケ地のMidnight Expressは7-ELEVENに(↓左写真)、Californiaは閉店してビルごと改装(建て替え?)中だった(↓右写真)。1994年の映画のロケ地さえもうないのだから、1964年の映画のロケ地を探すなんて至難の業だとふと思う。石井輝男のロケ地はほとんど街路だから、なくなってはいないと思うけれど、建物などが変わってしまったら見つけようがない。

香港島には近代建築がたくさんあるが、前回精力的に見てまわったので、時間のない今回は通りかかったら写真を撮る程度にとどめている。特に中環の山の手にはたくさん集中していて、このあたりでは旧・牛奶公司倉庫(現・香港外國記者會)(↓左写真)や聖公會會督府(Bishop's House)(↓右写真)を見た。牛奶公司倉庫は1892年竣工、會督府は1848年竣工。ともに香港一級歷史建築物。


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