実録 亞細亞とキネマと旅鴉

サイトやFlickrの更新情報、映画や本の感想(ネタばれあり)、日記(Twitter/Instagramまとめ)などを書いています。

香港旅行第一日:上環→筲箕灣→北角→上環

いちばん行きたいところに最初に行っておくべく、MTRで筲箕灣へ向かう。『東京ギャング対香港ギャング』[C1964-21]で高倉健が死んだのは、愛秩序街と工廠街が交差するところ。Googleマップによれば、福盛工廠大廈という名前のビルの前である。よろよろと歩いてきた健さんが力尽きるところが左写真で、健さんが倒れこむのは歩道の角あたり。そのままカメラが引いていった、同じショットの最後が右写真。映画は高いところから俯瞰で撮っているので、アングルはかなり異なる。福盛工廠大廈の建物自体はあまり変わっていないが、歩道には柵ができ、一方通行の標識のあたりにあった街燈はなくなっている。


福盛工廠大廈(↓左写真)は、薄っぺらな形、丸い窓、カラフルなベランダがちょっとおもしろい建物。映画ではスラムのようだった愛秩序街の反対側は、小綺麗なバスターミナルへと変貌している(↓右写真)。上を走る高速道路も、もちろん『東京ギャング対香港ギャング』の時代にはない。



より大きな地図で 映画に登場する香港 を表示
上環でも筲箕灣でも、コンビニを見かけるたびに入って探していた“香港街道地方指南”を、やっと見つけて買う。もう2012年版が出ていそうだけど2011年版で、“通用乗車地圖”とセットで高いのだが、香港歩きはこれがなければどうにもならないのでしかたがない。前はもっと簡単に買えたような気がするが、最初に大きな本屋に寄るような計画にしておいたほうが無難かもしれない。

筲箕灣といえばトラム(香港電車)の終点の街。せっかくなので終点(↓左写真)からトラムに乗る。もちろん2階(↓右写真)。西灣河電車廠附近で降りて線路が曲がっているところをチェック。『東京ギャング対香港ギャング』で健さんが内田良平とお別れするところを探しているのだが、ここは線路の曲がりかたがかなり違うようだ*1


行きたい冰室があったのに、ちょうど閉まってしまったところだったので、ふたたびトラムに乗って北角へ。小辣椒で四川料理の晩ごはん。今回は、飲食はローカルで庶民的な店にしか行かないと決めている。うれしいことに辣子雞(↓左写真)があった。しかし麻婆豆腐(↓右写真)は四川の味というより、ふつうの中華料理屋の味。これらに青菜や白飯や啤酒をつけてHK$188。ここのトイレには「紙は流すな」と書いてあった。

北角總站附近に戻り、春秧街のところのトラムの曲がり具合をチェックする。銅鑼灣と筲箕灣の間で線路が直角に曲がるところはあとここしかないし、線路の曲がり具合だけを見れば違うともいえないけれど、まわりの風景があまりにも違いすぎる*2。健さんが女優の三田佳子にヤクを預けに行くのは、劇中ではポウヘン劇場というたぶん架空の劇場で、撮影はセットだと思われるが、想定は新光戲院ではないかと勝手に思っているので、北角だったら都合がよかったのだけれど。

その新光戲院は来年閉館するという話なので、入口の看板をのぞいたりしつつ、北角雞蛋仔へ行って雞蛋仔(↓左写真)を買う(HK$15)。これは見たらぜったいにほしくなる、つながったベビーカステラ。外側がカリカリでおいしいが、予想よりも淡白な味。食後でもぱくぱく食べられる。Uターンしてふたたび西へ向かい、今度は福元湯圓へ。昨日延期した冬至の湯圓として、鴛鴦湯圓(↓右写真)を食べる(HK$16/杯)。黒胡麻餡3個と花生(ピーナッツ)餡2個のセットだが、めずらしい花生餡がすごくおいしい。


天后まで歩き、MTRでホテルに帰る。今日の歩数は17672歩。尚豪酒店は、上環にあって値段がまあまあリーズナブルでWiFiがタダというので選んだが、部屋もバスルームもかなり狭い。必要なものは最低限そろっているが、ところどころ「経費節減」が可視化されたような使い勝手の悪さが目立つ。最近少し贅沢なホテルに慣れてきたので、いろいろ不便に感じる。WiFi環境はぜんぜん問題ないが、特にシャワーまわりの使い勝手が悪く、洗濯物も干せそうにないので、もっと長期のときは泊まらないほうがよさそうだ。

*1:西灣河電車廠は1989年にできているので、その前から線路が曲がっていたかどうかわからないし、いずれにしてもこのあたりは1964年とは変わっていると思われる。

*2:1964年にはすでに海は電氣道や渣華道より北にあるので、北角でトラムが海岸を走っているとは考えられず、ここも違うようだ。