実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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香港旅行第一日:鎌倉→香港

最後に香港を見てから10年以上経った。3年ほど前から盛り上がってきた香港へ行きたい気持ちは、少し前に『東京ギャング対香港ギャング』[C1964-21]のDVDが台湾で発売され、ツイッターでロケ地話が盛り上がったのをきっかけに決定的になった。最悪二泊三日でもと思って検討した結果、唯一年内に行けそうなのがクリスマスの三連休。高い時期に二泊ではもったいなさすぎるけれど、チケットも取れたので思い切って行くことに。テーマは「石井輝男で歩く香港」。すなわち、『東京ギャング対香港ギャング』、『ならず者』[C1964-31]、『神火101 殺しの用心棒』[C1966-49]の香港澳門三部作にターゲットを絞る。前回の香港旅行も『東京ギャング対香港ギャング』がメインテーマだったわけで、この10年の間、「この映画のために香港へ行く」という香港映画は現れなかったということだ。最近の香港映画界を象徴するような淋しい話である。

多少高くても羽田発午前便が必須ということで、10時羽田発のJL(日本航空)029便。ずっと前に羽田から中華航空に乗って台湾へ行ったが、新しくなった国際線ターミナルははじめて。しかし朝ごはんを食べていたら時間がなくなり、探検はできなかった。

飛行機はほぼ定刻に出発。食事はあいかわらず激マズだが、デザートがハーゲンダッツ・アイスクリームだったのでちょっとうれしい。しかし、飛行機に乗っていたらおなかはへらないし、食事時間は不規則だし、別にがっつり食べたいとは思わない。こんなドロドロしたメインディッシュを食わされるくらいなら、カップヌードルとか菓子パンとか市販のおにぎりやサンドイッチとかのほうがいいんだけれど。

食事のあとは、せっかくの日本語字幕つきなので、杜琪峰(ジョニー・トー)と韋家輝(ワイ・カーファイ)の『単身男女』を観る。古天樂(ルイス・クー)、高圓圓(ガオ・ユエンユエン*)、呉彦祖(ダニエル・ウー)主演のラブコメ。はずかしいラインのぎりぎり内側でなかなか楽しく見せてくれたが、いちばん最後にはずかしいラインを越えてしまって残念でした。セクシーな女性を見ると鼻血が出る古天樂は、「小学生のギャグかよ」と言いたくなる設定。高圓圓は大陸から来た女性だが、実家もそれなりに裕福で学歴や能力があって、簡単に香港に来てキャリア系の仕事をして生活も豊かで、広東語をおぼえようとはしているものの北京語で堂々と働いているという役柄。香港映画における大陸人の表象も様変わりしたなあと感心するが、なんだか落ち着かない。ロケ地もいろいろ気になったが、今回は行かないことにしよう。ちなみにJ先生は、甄子丹(ドニー・イェン)主演の『三国志英傑伝 関羽』を観ながら寝ていた。

着陸前にもたついたものの、結局定刻の14時10分ごろに着陸。ウィーンでは通信費をケチってつぶやかなかったら、結局いまだに旅日記も書けずに後悔しているので、今回はケチらずにつぶやくことにする。15時ホテル着という勝手な予定は、長蛇の列のイミグレを抜けて入国した時点ですでにアウト。これまで「HK$100もするもんに乗れるかよ」と思って乗ったことがなかった機場快綫で香港島へ向かう。どうでもいいけど、台湾ではほとんど「線」が使われているのに、香港では「綫」が使われているようだ。機場站近くには八達通(オクトパス)の増値機が見当たらず、カウンターで聞いたらふたりでHK$160というチケット(2人行-單程票)が買えた。割引があるのはいいけれど、カウンターでしか買えないのが納得いかない。機場快綫は、高いだけあってふつうのMTRとは違っていた。車内で流れている説明ビデオで、同じおばさんが青衣でも九龍でも降りたみたいだったのが気になる。

終点の香港から中環へ乗り換えて上環まで行き、乾物屋街を抜けて今回の宿、尚豪酒店(So Hotel)にチェックイン。各階3部屋くらいしかないのに16階ある細長ーいホテル。一人一泊約7000円と、わたしの基準では決して安くないホテルだが、部屋はとっても狭かった。