実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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『春らんまん』(千葉泰樹)[C1968-40]

神保町シアターの特集「一年遅れの生誕百年 映画監督千葉泰樹」(公式)で、『春らんまん』を観る。

結婚式場を営む宝田明の新婚の嫁・新珠三千代と、同居の小姑たち・司葉子&星由里子との確執を中心に、五人きょうだいの結婚や恋愛をめぐるドタバタを描いたホームコメディ。お見合いで始まって結婚式で終わる、いろいろあったけれど組み合わせは同じ、という構成がなかなか洒落ている。

5人きょうだいが、白川由美宝田明司葉子、星由里子、川上大輔(だれ?)で、新珠三千代は年齢的には宝田と司葉子の間という設定。でも実際は、新珠三千代がいちばん上で、白川由美がいちばん若いんですね。そのせいだかどうだか、白川由美は今までになく綺麗に見えた。一方、新珠三千代の、おっとりしていてぶりっこっぽい女性の演技は、ちょっと無理があって見ていてつらい。彼女はやはり、キリッとしたちょっとこわい女性が似合う。

宝田明司葉子も、いくぶん容色の衰えが気になるお年ごろ。『香港の夜』[C1961-24]の宝田を見ると、今の宝田と同じ人とは思えないが、この映画の宝田は同じ人に見えないこともない。司葉子はコメディの演技に多少無理がある感じがした。

白川由美の恋人かつ新珠三千代の叔父を森雅之が演じて華をそえている。しかしこの映画の森雅之、なんだか異様に色が黒いのだが。