実録 亞細亞とキネマと旅鴉

サイトやFlickrの更新情報、映画や本の感想(ネタばれあり)、日記(Twitter/Instagramまとめ)などを書いています。

『ヌードの夜 愛は惜しみなく奪う』(石井隆)[C2010-04]

Meal MUJIで昼ごはんを食べて、今度はシネマート新宿で石井隆監督の『ヌードの夜 愛は惜しみなく奪う』(公式)を観る。いちおう『ヌードの夜』の続篇のようだが、『ヌードの夜』は観ていない。

twitterなどではかなり評判がよさそうだったけれど、わたしはいまひとつのめり込めなかった。おもしろいことはおもしろかったし、紅次郎(竹中直人)の部屋のがらんとしたたたずまいや、富士山麓の石切り場に射し込む光、始終雨が降っているところなどはなかなかよかった。わたしの感じるイマイチ感は、おそらく主演の竹中直人佐藤寛子に対する不満だと思う。

まず竹中直人は、そんなに悪いわけではないが、彼は何をやっても竹中直人なのでどこか余裕があるように見えてしまい、紅次郎としての切迫感とか切実さみたいなものが感じられない。佐藤寛子(清純派グラビアアイドルだそうだが、名前を聞くのもはじめて)は、がんばって熱演していると思うし、カラダはほんとうにきれいだが、どうも魅力がよくわからない。顔があまり好きではないし、すごくエロいと書いている人もいるので感じる人は感じるのだろうが、わたしはエロさもあまり感じなかった。終盤、別の顔を見せるところも、唐突に感じられたし、なんだか危なっかしくてきつかった。

宍戸錠が出ていたのはうれしかったが、彼にはどうしてもコミカルな役柄を期待してしまうので、鬼畜のような役はちょっとイメージが違った。昔とは違う凄味のある存在感を醸し出していて、それはそれでよかったのだけれど。