実録 亞細亞とキネマと旅鴉

サイトやFlickrの更新情報、映画や本の感想(ネタばれあり)、日記(Twitter/Instagramまとめ)などを書いています。

『喧嘩太郎』(舛田利雄)[C1960-53]

同じく「にっぽんサラリーマン物語 - 会社生活の希望と憂鬱」の2本めは、舛田利雄監督の『喧嘩太郎』。つまらん。これもコメディだけど、『月給13,000円』よりさらに笑えない。いつもながら、石原裕次郎芦川いづみが「正しい人」でうんざり。喧嘩シーンが多く、これがとっても退屈。

石原裕次郎主演で源氏鶏太原作のサラリーマンものなんて(読んだこともないからよく知らないんだけれど)あんまり観たくないが、ちょうど『月給13,000円』と連続していたので観た。『電姫戯院』(『それぞれのシネマ』[C2007-13])の『少女ムシェット』のゴーカート・シーンを観て、J先生が「『喧嘩太郎』だ」と言っていたので、ガセネタとはいえ気になっていたし、観ると言ったら「『喧嘩太郎』はいいね」とも言っていたので、多少の期待はあった。もちろん、いづみさまご出演映画なので当然割り引いて考えてはいたが、J先生がいいと言うのはただの制服萌えだったことがすぐに判明した。いづみさまは婦人警官の役なのだ。制服萌えなら、一昨日観た『朝の波紋』[C1952-V]のシスター姿の香川京子のほうがポイントが高い。

この映画のよくない点は次のとおり。

  • いづみさまが異常さを発揮していない。
  • 対抗馬はせっかく中原早苗なのに、バクハツした魅力を発揮していない。
  • 二谷英明は、いづみさまに下心があるのがミエミエな公私混同な警察官なのに、突然悪い人になったりせず、目立たないいい人で終わってしまう。

いちおういい点も挙げておく。

  • 裕次郎といづみさまがデートで観る映画が『口笛が流れる港町』[C1960-31]である。
  • イサムちゃん(島津雅彦)が出ている。
  • 芸者役の白木マリはなかなかいい。

阿佐ヶ谷のインド料理屋でカレーを食べて帰る。