実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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『月給13,000円』(野村芳太郎)[C1958-31]

昼ごはんのあとは、ラピュタ阿佐ヶ谷の「にっぽんサラリーマン物語 - 会社生活の希望と憂鬱」特集。まず1本めは、野村芳太郎監督の『月給13,000円』。南原伸二時代の南原宏治さまご出演映画だが、「ここはたぶん笑うとこだけどおかしくない」という感じの、いまひとつ笑えないコメディ。

聞いたこともない、かなりレアだと思われる映画だが、男性陣はわりと豪華。南原伸二、内田良平、三井弘次、宮口精二渡辺文雄。あと、田村高広に、歌要員の小坂一也。一方、女性陣は知らない人ばかり。知っているのは朝丘雪路小田切みきくらいだけど、観ているときはぜんぜんわからなかった。

いちおう田村高広が二枚目役で、南原伸二さまは、まじめで硬い九州男児というイヤな設定。なんだか髪の毛がヘンにボリュームがあり、頭が妙にでかくて、つんつるてんのスーツを着ている。月給が13000円しかないのに、郷里の父に仕送りをしたり、毎日のように手紙を書いたりする。南原伸二といえども、だんなさんにはしたくないタイプだ。気になる女性に好意をみせられると、「僕は有望です」と書いてしまうところはほほえましい(だがもちろん、田村高広にもってかれる)。数年後、南原宏治として発揮するコメディアンぶりも(『求人旅行』[C1962-30]のDVDを出してください)、このころはまだまだ。それにひきかえ、若き内田良平はかっこいい。