実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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『沖縄10年戦争』(松尾昭典)[C1978-V]

沖縄やくざ戦争』(id:xiaogang:20080615#p2参照)、『沖縄進撃作戦』(脚本)(id:xiaogang:20080620#p1参照)ときたら、『沖縄10年戦争』(映画生活/goo映画)も観ないわけにはいかない(DVD-R)。

沖縄やくざ戦争』と同じく、『沖縄進撃作戦』の脚本が元になっているらしい沖縄ヤクザ映画。松方弘樹千葉真一が主演なのは『沖縄やくざ戦争』と同じだが、千葉ちゃんが『沖縄やくざ戦争』の松方弘樹で、松方弘樹は『沖縄やくざ戦争』での役の半分+新たな登場人物という感じでややこしい。オクラ入りの原因となった問題の人物が復活したり、本土ヤクザの役割が増していたり、警察の介入が強調されたりと、『沖縄進撃作戦』からもってきた部分もあれば新たに作られた部分もあるが、全体として焦点のボケたストーリーになっている。

沖縄が舞台のはずなのに、登場人物は厚着をしていて全然沖縄に見えない。男たちは比較的クールで、千葉ちゃんもバカっぽくないが、暑さも熱さも、バナキュラーなエネルギーも感じられない。いちばん閉口したのは、特に女子供が絡むシーンがめちゃくちゃ情緒的で、泣きまくり(わたしが、ではない)なこと。

あとの出演者は、『沖縄やくざ戦争』に比べてショボくなっている。ただし曽根晴美が出ていて、J先生はそこだけ熱心に観ていた(どうも千葉ちゃんだけ大スターになったのが許せないらしい)。山田隆夫が警察に蜂の巣にされるスローモーションのショットがあるが、山田隆夫ではぜんぜん悲壮感が感じらず、意図が不明である。