実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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『レッツゴー!若大将』(岩内克己)[C1967-V](録画)

先日BSで録画した『レッツゴー!若大将』(映画生活/goo映画)を観る。監督は岩内克己、って誰だが知らないのだが、どうやらほぼ若大将シリーズ専用監督のようだ。

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若大将シリーズは、テレビで部分的に観たことはあるが、ちゃんと観るのはこれが初めて。加山雄三の映画は、成瀬巳喜男のは別格にしても、前年の『バンコックの夜』[C1966-39]など、なかなかよくできていると思うが、この映画はちょっと…。内容はかなり異なるが、歌えるスターを主役にすえた、似たようなパターンのシリーズ物ということで、どうしても小林旭の渡り鳥シリーズを連想してしまうが、渡り鳥シリーズに比べたらかなり落ちる。もしかしたら作品によって出来不出来があるのかもしれないが、「若大将シリーズでは××がいい」といった議論は聞いたことがない。

特に興味のない若大将映画をなぜ観ようと思ったのかというと、香港澳門(マカオ)ロケがあるからである。しかしながら、香港も澳門も、さらには京都も、有名観光地をひととおりなめる程度であり、ほとんど観光映画にさえなっていなかった。澳門では、とりあえずお約束の大三巴牌坊(聖パウロ天主堂跡)は登場する。

この映画の最大の見どころは、飯田蝶子のチャイナドレス姿。若大将の香港土産を嬉々として着ているのだが、ロングならまだしもけっこうミニ。東山千栄子のヌード(『沙羅の花の峠』[C1955-18])と同じくらいびっくりした。香港からは陳曼玲という女優が出ているが、さして魅力的ではない。青大将に対していつも威圧的なところはよかったけれど。宝田明が日本に住む香港人の役で特別出演的に出ていて、得意の北京語を話しているのがちょっとしたチェックポイント。ちなみに香港で話されている言語はすべて北京語だった。