実録 亞細亞とキネマと旅鴉

サイトやFlickrの更新情報、映画や本の感想(ネタばれあり)、日記(Twitter/Instagramまとめ)などを書いています。

『リサイクル - 死界(鬼域)』(彭氏兄弟)[C2006-30]

ホラー映画というのは、ふつうは観ないジャンルである。彭氏兄弟(パンブラザーズ)の映画は、『the EYE【アイ】』[C2001-25]を観たらけっこうベタだったので、「もう観なくてもいいか」と思った。したがって、彭氏兄弟の新作『リサイクル - 死界』(公式/映画生活/goo映画)は、ふつうなら観ない映画である。だけど主演が李心潔(アンジェリカ・リー)なので、念のため李心潔ファンのJ先生に聞いてみると、「観ようか」と言う。しかも、少し前まで環境関係のお仕事をしていたJ先生は、タイトルが『リサイクル』だと知ると「ぜひ観なきゃ」と言う。私も李心潔は嫌いじゃないので、なんとなく勢いで観ることになった。しかし初日の初回なんて、よほどのファンの人みたいだ。シネマート六本木は初めてだが、某シンタロー映画もやっていたので、正しくない映画館と判定した。

映画は、李心潔のまわりで奇怪なことが起こり始めるあたりまではおもしろかったが、彼女が鬼域へ行ってしまうとかなり退屈した。『the EYE』もたしかそうだったが、真相が明らかになるにしたがって教訓話のようになってしまうのにはがっかりする。対象を、捨てたストーリーや言葉に絞ればもっとおもしくなったと思うのに、水子や物を捨てることにまで対象を広げてしまったのはよくなかった。話が大きくなり過ぎだし、わかりやすいメッセージにまとめ過ぎである。

李心潔は作家なのだが、なんでMacの前に座っているのに創作メモを手書きで書くのかと、Macではなぜ簡体字で執筆しているのかというのが気になった。

李心潔といえばやはり『檳榔売りの娘(愛你愛我)』。今年は張震(チャン・チェン)主演の『呉清源』も公開されるので、どこかの配給会社がもっているはずのこの映画をぜひ公開してほしい。最悪の場合はDVD発売のみでもいいので(でもレイトショー公開はやめて)。