東京フィルメックスのチケット取りが10時半には片づいたので、少し早い昼ごはんを食べ、11時すぎに横浜を出発。第三京浜→環八→関越道と走り、4時ごろ伊香保温泉の宿に到着。
チェックイン後、暗くなりはじめた温泉街を散策。石段の両側に店が並ぶ様子は、ちょいと九份を連想させる。しかし、石段がきちんとしすぎており、建物も風情がない。九份もずいぶんひどくなったと思うけれど、これに比べればまだ風情がある。
伊香保温泉は、成瀬巳喜男監督『浮雲』[C1955-01](asin:B0009OATTY)と小津安二郎監督『秋日和』[C1960-05](asin:B0009RQXJ6)の舞台である。『浮雲』では森雅之と高峰秀子が訪れるところ、そして加東大介と岡田茉莉子が住んでいるところ。『秋日和』では原節子と司葉子が訪れるところ、そして笠智衆が住んでいるところ。しかし、『浮雲』はセット撮影だし、『秋日和』もおそらくセットだろう。もちろん、俵屋(『秋日和』で笠智衆がやっている旅館)もボルネオ(『浮雲』で加東大介がやっている料理屋)もない。石段の様子も『浮雲』とはだいぶ違っていた。