TOHOシネマズ渋谷で、王家衛(ウォン・カーウァイ)監督の『グランド・マスター』(公式)を観る。
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- 発売日: 2013/12/05
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- うつろいゆく時間、すれ違う想い、取り戻せない過去、かすかな後悔の痕跡。まぎれもない王家衛映画だった。
- 激動の時代に翻弄されつつ生きる宗師たちが、時に深く、時にかすかに関わりあい、すれ違いながら流浪し、香港に流れ着く群像劇。流れて香港。ほったら〜♪
- 冒頭の梁朝偉(トニー・レオン)の広東語のモノローグが、思わず「張國榮(レスリー・チャン)かよー」と言いたくなる雰囲気なのもあって、功夫版『欲望の翼』、あるいは中年版『欲望の翼』という趣である。
- 張震(チャン・チェン/ジャン・ジェン*)の出番が少なすぎる、ストーリーに絡まなすぎるというのはある意味ではそうなのだけれども、彼もそういう宗師たちのひとりであって、これはこれで構わないと思う(個人的にはもっと出してほしい)。無駄遣い感、もったいなさも、『欲望の翼』の梁朝偉に比べればさほどでもない。
- 動と静がはっきりしていて、型や美しさを重視したアクションはわたし好み。アクション映画は好きだけれど、静のないアクションは苦手で眠くなる。最近観た映画では、キメ技やかっこよさを強調した『The Collector』のアクションも好き。
- 写真が効果的に挿入されているが、これは小津映画の「一緒に写真を撮ったら別れ別れになる」という法則を思い出させずにはおかない。もっと近いところでは、同じく梁朝偉が家族写真を撮る『悲情城市』を連想させる。
- 章子怡(チャン・ツィイー/ジャン・ズーイー*)の優雅なアクションを観ながら、マキノ雅弘が『緋牡丹博徒』の藤純子を批判して、「あれは男の立ち回りだ」と言ったという話を思い出した。彼が章子怡のアクションを観たら満足してくれただろうか。