実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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『伊豆の娘たち』(五所平之助)[C1945-09]

神保町シアターの特集「飯田蝶子とにっぽんのおばあちゃん」(公式)で、五所平之助監督の『伊豆の娘たち』を観る。

  • これを観たのは桑野通子めあて。ミッチーはヒロイン・三浦光子の叔母で、独身の産婦人科医。三浦光子と佐分利信が外で少しでも一緒にいると、どんなに遠くからでも目ざとく見つけて注意するという、こわーい叔母さまぶりが楽しかった。
  • 特集の主役である飯田蝶子は、出番は多くないが、蝶子スマイルをふりまいている。『淑女は何を忘れたか』とあわせて観ると楽しい展開もある。佐分利信と三浦光子がくっつくことは全員が予想できても、蝶子が○○するとは誰も予想できなかったと思う。
  • この映画は1945年8月末に公開されているので、戦時中に撮ったものと思われるが、戦時中が舞台なのに食料もふんだんにあるように見えるし、緊張感もまるでなく、よく検閲に通ったなあと思う。終戦を受けて、検閲対策的なところは取ってしまったのだろうか。