バンガロールに来ちゃったの

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『ある秘密(Un Secret)』(Claude Miller)[C2007-59]

シアター・イメージフォーラムの「フランス映画の未公開傑作選」(公式)で、クロード・ミレール監督の『ある秘密』を観る。どうでもいいけれど、この特集は「シャブロル、ミレール、ロメール」で韻を踏んでいる。

  • 1950年代の少年フランソワが家族の過去を探る話で、1950年代、両親が出会った第二次世界大戦期、そしてフランソワが大人になった現在を行き来しながら描かれる。
  • 三角関係のもつれにナチス占領下のユダヤ人問題が絡む展開。恋愛による不安とユダヤ人である不安がうまく重ねられた、不穏な空気感が魅力的。
  • 家族の歴史にフランスの歴史の闇の部分が重ねられているところは、ストーリーは全く似ていない映画ながら、昨日観た『Sandcastle』を思い出させる。
  • 恋愛と政治が絡まりあって起こる悲劇は、『さらば、わが愛 - 覇王別姫』を連想させる。『さらば、わが愛』の鞏俐(コン・リー/ゴン・リー*)は、ライバルを告発するというありきたりな行動に出るが、本作のリュディヴィーヌ・サニエは、自分を犠牲にしつつ、子供を道づれにして夫に決定的な打撃を与える。作戦が数段高度である。そしてここは、それまでひたすらかわいらしく存在していた彼女が、かわいい顔してヘンタイという彼女の本領を発揮する、最大の見せ場である。
  • セシル・ドゥ・フランスを見るのはたぶん三度めだが、クールさのなかに情熱を秘めた役で、はじめて魅力的に感じた。
  • マチュー・アマルリックが、哲学教師でもなく、だめんずでもなく、きわめてふつうに出演していて、一見「ムダにマチュー・アマルリック」。しかし成長したフランソワ役なのでそれなりに屈折しているはずで、そのあたりを考慮しての起用なのだろう。