実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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『白タク(Colorum)』(Jobin Ballesteros)[C2009-49]

シネマート六本木で、ジョビン・バレステロス監督の『白タク』(東京国際映画祭)を観る。第24回東京国際映画祭のアジアの風部門フィリピン最前線〜シネマラヤの熱い風の一本。

主人公は、模範警官だが、休日には署長の車を借りて白タクをやっている若い警察官。彼が白タク営業中に誤ってアメリカ人をはねてしまい、署長の指示で、目撃者である客のおじいさんを道連れに逃避行をするロードムービー

まず第一に言いたいのは、主人公を演じるアルフレッド・ヴァルガスがイケメンであるということだ。ほとんど出ずっぱりなので、眺めているだけで楽しい。フィリピン映画は、インディペンデントっぽいものでもイケメン俳優が出ていていいなあ。けっこうマッチョで、検索するとセミヌードとか水着とか下着とかの画像ばかり出てくるけど、そういう人なの?(そういう人ってどういう人だ?)

署長の指示する逃亡先と、おじいさんの行きたいところが同じだったこともあり、とりあえず円満にそこへ向かうのだけれど、その途中でいろいろな人に会ううちに、警官は自首する決意をする。フィリピンのまぶしい陽光の中の移動シーンはなかなかいい感じだし、警官の決意も支持できる。警官ならではの知識を利用して、周到に準備するのもいい。だから、そのあとのどんでん返しがちょっと余計なように思えてしまった。その前で終わったほうが気持ちよく終われたような気がする。おじいさんにあまり魅力がないせいもあると思うが。

また、途中で出会った人々がそのあとみんな改心するのも、過剰なヒューマニズムだと思った。少なくとも、女子高生は子供を堕ろしたほうがいいと思う。