実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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『まぶしい一日(눈부신 하루)』(Kim Seong-ho, Kim Jong-kwan, Min Dong-hyeon)[C2006-49]

TOHOシネマズシャンテで、オムニバス映画『まぶしい一日』(東京国際映画祭/公式)を観る。第24回東京国際映画祭のアジアの風部門・女優=プロデューサー杉野希妃〜アジア・インディーズのミューズの一本。戦後60年を記念して、日韓関係を捉えた映画ということで企画されたものらしい。

1本めは、キム・ソンホ監督の『宝島』。済州島を舞台に、日本から来た二人の女子大生・ミエ(森透江)とエイコ(杉野希妃)を描いたもの。祖父が戦前朝鮮に住んでいたミエと、在日韓国人であるエイコという設定で、戦前から現在に至る両国の複雑な関係が端的に示されている。エイコは在日韓国人であることをミエに隠していて、ほんとうは韓国語がわかるのにみすみすトラブルに遭ったりするが、危機的な状況になって突然韓国語を話しはじめる杉野希妃がかっこいい。3本の中ではこれがいちばんおもしろかった。

2本めは、キム・ジョングァン監督の『母をたずねて三千里』。ソウルを舞台に、高校生のジョンファン(キム・ドンヨン)が、母親のいる日本へ行くため詐欺でお金を稼ぐ話。ひたすら長かった。

3本めは、ミン・ドンヒョン監督の『空港男女』。仁川国際空港を舞台に、飛行機に乗り遅れたライター・石田秀紀(塩田貞治)と、空港の書店で働くオ・ゴニ(イ・ソヨン)の一夜を描いたもの。おもしろくないわけではないが、言葉が通じないために起こるおかしな状況をコメディっぽく描く映画には食傷気味。通じないとわかっていて自分のことを語りまくる人というのは理解できない。海外へ取材に行くライターが、ぜんぜん英語ができないというのも不思議。いや、典型的韓国英語で話しかけられたら、英語だということさえ気づかないような気もするけれど。