実録 亞細亞とキネマと旅鴉

サイトやFlickrの更新情報、映画や本の感想(ネタばれあり)、日記(Twitter/Instagramまとめ)などを書いています。

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地大乱(黃飛鴻之二 男兒當自強)』(徐克)[C1992-52]

同じくシネマート六本木の特集「香港電影天堂SPECIAL」(公式)で、徐克(ツイ・ハーク)監督の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地大乱』を観る。

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地大乱 デジタル・リマスター版 [DVD]

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地大乱 デジタル・リマスター版 [DVD]

欧米列強の侵略が進む清朝末期、攘夷を唱えるカルト教団・白蓮教の擡頭、革命による清朝の転覆を画策する孫文の登場、そして両者を弾圧しようとする弱体化した清朝三者が絡みあう激動の時代を背景に、末期的な雰囲気と新しい時代の息吹とを感じさせる点がまずすばらしい。そのなかで、孫文を擁護し、白蓮教や清朝と闘う黃飛鴻(李連杰ジェット・リー)というには、新たな時代を見すえた若きヒーローとしてとりあえず申し分ない。初見時にはこれほどいいとは思わなかったが、それはおそらく白蓮教のおどろおどろしいイメージが強すぎたからだろう。

もうひとつ、前回たぶん注目していなかったのが広東省提督・納蘭元述を演じる甄子丹(ドニー・イェン)。クライマックスに李連杰と甄子丹の闘いをもってきたことで、いやがうえにも盛り上がる。わたしはもちろん李連杰派だが、相手に全く不足はない。

黃飛鴻と十三姨(關之琳/ロザムンド・クワン)の仲は少しは進展したが、やはりあいかわらずの雰囲気で、ラブシーン(もどき)はあいかわらずかわいい。

黃飛鴻が学会で鍼治療を実演するシーンがあったが、これは最近よく観る痛い映画と同じくらいきつかった。