J先生が美容院へ行っているあいだに、エクセルシオール・カフェ(公式)にて『羊をめぐる冒険』読了。
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/11/15
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- 作者: 村上春樹
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まず、上巻の本文2ページ目。いきなりのけぞる一文が。
誰かが言っているように、手間さえ惜しまなければ大抵のことはわかるものなのだ。(上-p. 10)
「誰か」って、フィリップ・マーロウじゃないか、もう。誰でも納得できるあたりまえの内容なので、今まで気がつかなかった。
私がこの小説を村上春樹版『長いお別れ』だと思ったのは、主に後半以降の「僕」と「鼠」の関係についてだけれど、『長いお別れ』と対応する部分はほかにもたくさんあった。たとえばアイリーン・ウェイドがホテルのバーに入ってきたときの周囲の反応と「彼女」がレストランで耳を出したときの周囲の反応とか、リンダ・ローリングの家の描写と「先生」の家の描写とか、エイモスと「先生」の運転手、ハーラン・ポッターと「先生」、ロジャー・ウェイドとアルコール中毒の共同経営者などだ。
もうひとつ気づいたことは、『羊をめぐる冒険』もまた満洲関連小説だということ。それに気がつくと、やはり気になるのは『ねじまき鳥クロニクル』(asin:4101001413/asin:4101001421/asin:410100143X)との関連である。『ダンス・ダンス・ダンス』(asin:4062749041/asin:406274905X)が『羊をめぐる冒険』の続篇なので、どうしても『羊をめぐる冒険』→『ダンス・ダンス・ダンス』→『ねじまき鳥クロニクル』という順番でみてしまうが、『ダンス・ダンス・ダンス』を抜いてみると、意外につながりがあるように思う。『羊をめぐる冒険』は『ねじまき鳥クロニクル』の雛型であるといえるのではないか。
ところで上巻p. 88にある「左右不対称」というのはなんでしょう?(Googleで「不対称」を検索すると、9140件ヒットする。)