実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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『ジャンプ!ボーイズ(翻滾[口巴]!!男孩)』(林育賢)[C2004-42]

シネスイッチ銀座へ『ジャンプ!ボーイズ』(公式)を観に行く。公開二日目の初回はかなりすいている。

宜蘭縣羅東鎭公正國民小學(+幼稚園)のちびっこ体操選手7人とコーチを追ったドキュメンタリー。落ち着かない子供たちを、安定しない落ち着かないキャメラで撮り、コラージュ風に落ち着かない編集を施している。単に彼らを追っただけの映画と違うのは、林育賢(リン・ユゥシェン)監督がコーチの弟であるということ。そのため、コーチの子供時代と、今教えている子供たちとが重ねられている面もある。その場その場に惹きつけられておもしろく観ることができたが、映画としてはもうちょっと工夫の余地があるように思う。

残念だったのは、最後のほうでコーチが「強い国にするために強い選手を育てる」と言っていたこと。スポーツ・ナショナリズムが大嫌いな私としては(それ以外のナショナリズムも無論嫌いだが)、そういうことを言われるとひいてしまう。コーチの考えに干渉する権利は私にはないが、映画には入れないでほしかった。それまでは、何のために体操をやるのかとか誰のためにやるのかといったことが語られていなくて、そこがいいと思っていたのに。

宜蘭縣羅東鎭といえばかなり田舎だけれど(行ったことはないが)、彼らは全国大会で優勝するレベルの選手。宜蘭といえば、最近は周渝民(ヴィック・チョウ)の出身地として有名だよね、と思っていたら、なんと公正國小の卒業生なんだそうである。