小沢茂弘監督の鶴田浩二さまご出演映画、『馬賊やくざ』をDVD-Rで観る。満洲国を舞台にした話で、「外地もの」にありがちな「一部の悪い日本軍人と商人が非道の限りを尽くしているのを、よい日本人である主人公がやっつける」というもの。「ニッポン、ニッポン」「ニッポン人、ニッポン人」と連呼しなければそれなりに楽しめるのに、まったくうるさくて興ざめである。国策映画でもないのに、どうして外地を舞台にするとこうなってしまうのだろうか。劇中では、鶴田浩二をはじめとする「よい日本人」が「本当の日本人」だということになっているが、よい日本人は5人くらいしか出てこなくて、悪い日本人は大勢出てくる。そうすると、ふつうに考えて悪い日本人のほうが本当の日本人なのでは。
この映画の見どころのひとつは台湾ロケ。そう思って観ると、景色はそこはかとなく台湾っぽく、南国っぽい。満洲には見えない。だけど流して観たかぎりでは、残念ながらロケ地はわからなかった。
ところで、鶴田浩二に中国服は似合わない。