実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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『飛び魚を待ちながら』

今日も有給休暇。1本目は渋谷で、曾文珍監督の『飛び魚を待ちながら』。台北に住む女性が蘭嶼島へ行き、原住民の青年に出会って島の素朴な生活にふれるという話。

都会の若い女性が田舎や離島へ行って癒されるという話は、日本でもゴロゴロ転がっている。私はそういうのに全く共感をもてないし、正直言ってうんざりだ。この映画では、離島の暮らしの大変さや、原住民の抱える問題も描かれていないわけではないけれど、全体におめでた過ぎると感じた。そもそも、主演のLindaという人がどうも好きになれない。見るのは初めてだけれど、こういう若い女よくいるよね、という外見の、はっきりいって嫌いなタイプ。J先生もこの映画に似たような感想を抱いているだろうと予想していたところ、Lindaが釈ちゃん似だとかで、かなり違った印象らしい。映画の印象なんて、主演女優の顔ひとつでいかようにも変わるのだ。

もっと晶晶(Linda)と避風(王宏恩)の個人の関係が描かれていたらよかったと思う。いちいち、晶晶=台北、避風=蘭嶼という寓意であり過ぎる。それに、晶晶が基隆港に立って「汚い海」とか言うけれど、私は蘭嶼(行ったことないけど)よりも基隆のほうが100倍美しいと思う。辛口のことばかり書いたが、別にそんなにひどい映画なわけではなく、それなりに楽しめる。辛口といえば、はるばる蘭嶼まで行ってスーパードライを出されたら、かなりげんなりするよね(蘭嶼まで行かなくてもだが)。

上映後にティーチ・インがあったが、次の予定がつまっていたため残念ながら不参加。