実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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『妻』

映画館では未見だった成瀬巳喜男の(別に「成瀬の」って書けばいいんだけど、そうすると「はてなキーワード」で別のものに引っかかってしまうのでわざわざフルネームで書く)『妻』を観にフィルムセンターへ行く。こういう、レアでない&代表作でない映画はそれほど混まないらしく、開場のちょっと前まで座っていられた。それでも始まる頃にはほとんど席が埋まる。

夫婦で観ないほうがいい映画、あるいは夫婦で観ると楽しい映画。ちなみに私はひとりで観た。キネマ旬報高峰秀子のインタビューの中に、成瀬は女優さんがセットでせんべいを食べるのを嫌がっていたというのがあって、それを読んだとき、この映画で高峰三枝子がせんべいをバリバリ食べるシーンを連想した。やはりそういう日ごろの経験が反映されているのだろうか。それにしても、天下の高峰三枝子にこんな役をやらせるなんて、成瀬もひどい人である。中北千枝子のほうがきれいに見えるってどういうことなんだ。

全然記憶にないので以前観たときは気づいていなかったのかもしれないが、新珠三千代が若くてびっくり。新珠三千代って生まれたときから奥さんだったようなイメージがあるけれど、こんなに若いときもあったのね(当たり前だ)。これでフィルムセンターとはしばらくお別れ。