実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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『UNDERWATER LOVE - おんなの河童』(いまおかしんじ)[C2011-07]

ポレポレ東中野で、いまおかしんじ監督の『UNDERWATER LOVE - おんなの河童』(公式)を観る。

いまおかしんじ監督の映画は観たことがないので、これを観たのは撮影が杜可風(クリストファー・ドイル)だから。『ブエノスアイレス[C1997-04]を観るついでに観た。ツイッターなどを見るかぎりかなり評判がよかったのだが、おもしろいことはおもしろかったけれど、正直それほどハマらなかった。

ピンクミュージカルという触れ込みだが、いいかげんな河童の扮装とか、ちょっと聴けばすぐ憶えちゃう歌とかがかなり脱力系なのに、ダンスが案外ふつうなのが残念なところだった。突然ミュージカルになる展開も、免疫がなければかなり楽しいと思うが、蔡明亮(ツァイ・ミンリャン/ツァイ・ミンリアン*)などでけっこう観ているので、それだけでは盛り上がれなかった。ピンクという点に関しては、いまどきのピンク映画はいまどきのふつうの映画と大差ないと思った。

好きなシーンは、 明日香(正木佐和)の家で河童の青木くん(梅澤嘉朗)が風呂桶に隠れているときに、目の前で明日香と婚約者の滝(吉岡睦雄)がエッチしはじめたので、青木くんが風呂桶から出てきて明日香のおしりをつんつん、とさわるところ。なぜか異様に心をつかまれます。また、青木くんが明日香のことを「いつまでも女の子だから好き」と言っていたのもよかった。女性はいつまでも女の子であることが肝要です。

杜可風の撮影は、古びた日本家屋とか緑の多い田舎の風景とかがけっこういい感じだった。