今日から夏休み。一度は空の彼方に消えた夏のバカンスだが、パンダは1週間で退院したし、運よくキャンセル料も取られなかったので、再度決行することになった。一泊に短縮したので、せっかく予習した沼津、三津、修善寺はなくなり、川奈ホテルでの豪華お泊まりのみ。
夏の伊豆&帰省ラッシュということで、7時半出発予定だったが、やっぱり遅れて8時20分に出発。国道134号→西湘バイパス→真鶴道路新道→熱海ビーチラインと定番どおりのルートで定番どおりに渋滞し、11時ごろ熱海に到着。街をぶらついてから、MONでジェノバ風バジリコスパゲッティ(↓左写真)などを食べる。
おなかがいっぱいになったので、次は、愛に〜愛に〜愛にささやく熱海秘宝館〜♪ではなく、網代を目指して国道135号を南下。山の上から妖しく招く秘宝館(↑右写真)を熱いまなざしで見上げ、名残おしいながらもさようなら。
目的地はあじろ食堂。また昼ごはんを食べる、というわけではなく、ここの貸切展望露天風呂が目当て。川奈ホテルには温泉がないので、日帰り温泉に寄ってから行こうという作戦である。写真を見て好きなお風呂を選ぶという、なにやらラブホのような手続きで、ヒノキの湯舟(↓左写真)を選択。さっき走ってきた道路が眼下に見えるのはちょいと興ざめながら、海が見えるお風呂はたしかに気持ちいい。ただ、露天といっても窓がないだけでしっかり屋根があるので、海風はほとんど感じられず、暑くて長く入っていられない。
のぼせたので、氷を求めてふたたび国道135号を伊東へ向かう。途中、サンハトヤの海へ突き出たようにそびえ立つ威容(↑右写真)と、独特の書体の赤い「サンハトヤ」の文字を見て、激しくこころ惹かれる。でんわはよいふろ〜♪
伊東駅近くに車を置き、かき氷を求めて伊東大川方面へ。東海館(↑写真)に「かき氷始めました」の貼り紙を見つけ、入館料がもったいないと渋るJ先生を説得して入る。いきなりかき氷を注文して喫茶室へ直行する、「何しに来たんだ?」という風情のわたしたち。大川に面した縁側で、いちごミルク(↓左写真)を食べてまったりする。台湾のかき氷を知ってしまうと、人工的な色と匂いのシロップをかけただけの日本のかき氷は詐欺としか思えない。しかし、ガラスの器に縁側と、レトロな舞台装置が揃うと、味や匂いも含めてこれはこれでいいと思える。入館料200円を払ったので、前にも来ているけれど、1928年竣工の東海館もひととおり見る。タイル貼り大浴場の日帰り温泉もあるようなので、次はお風呂に来ようと決める。泊まりたいと思っていた隣のいな葉は、残念ながら閉館してしまったようだ。
伊東を出発。国道135号から静岡県道109号(伊東川奈八幡野線)に入り、ちょうどチェックインタイムの16時ごろに川奈ホテルに到着。海側の広めの部屋で、プールと庭の向こうに海が見える。バスルームはお風呂とトイレと洗面所が別々で、洗面台は二つあり、お風呂には洗濯ロープもあって(今日はいらないけれど)、かなり満足度の高い仕様。ただ、湯船とシャワーが別でないのが残念。
さっそく、海を臨む広大な庭園(↑右写真)の散歩に出かける。川奈ホテル(↓左写真)は、高橋貞太郎設計、1936年竣工。向かって左側の新本館部分は1964年に建て直されていて、わたしたちの部屋は残念ながらそちら側。外観はリゾート風の明るい雰囲気だが、ロビーのテラス部分(↓右写真)などはシックな雰囲気。
館内に入ると、1階では、テラスと同様、落ち着いたレトロな雰囲気のロビー(↓左写真)が存在感を示している。一方、ガラス張りのサンパーラー(↓右写真)は、外観と同様の明るい雰囲気。2階の廊下からは、このように1階の吹き抜け部分を見下ろすことができて楽しい。突き当たりにはレトロな雰囲気の図書室があり、インターネットも使える。
晩ごはんは、グリルで洋定食をいただく。庭園と海と初島を望む窓際の席。暗くなると、伊豆のアルカトラズこと初島に、赤と緑の怪しい光が瞬くのが見えた。温泉がないのは残念だが、逆にお風呂を制覇するのに命を賭ける必要がないので、ゆったりと過ごすことができる。本も2冊もって来て、読書三昧のはずだったのに、ちょうどのりピーが逮捕されたので、情報7days ニュースキャスターを見ているうちに、川奈の夜は更けていったのであった。