実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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『りゃんこの弥太郎』(マキノ雅弘)[C1955-26]

BLESS COFFEEで急いでお茶を飲み、ふたたびフィルムセンターへ。2本目は『りゃんこの弥太郎』(goo映画)。りゃんこの弥太郎を演じるのは小泉博。さっきは鶴田浩二目当てと思しきばあさまたちを多数お見かけしたが、今回は行列に女性が皆無(一人を除く)。「小泉博の魅力がわからないなんて」と、なぜかJ先生憤慨。

鶴田浩二中村錦之助と並べるといかにも地味な小泉博だが(だいいち名前が地味だ)、なかなかのはまり役。少なくとも鶴田浩二よりずっといい。これは1955年の映画で、キャスト的にはやはり『次郎長三国志』を思わせるが、かなりテンポもいいし、泣きも入らない軽快な進行で、安心して観られる。

ストーリーは『彌太郎笠 前篇 後篇』とは違っており、リメイクではない。しかし、やはりお祭りが出てきたりして共通点も多い。絹織物をめぐって桐生と足利が争っている話なので、『人のセックスを笑うな』(id:xiaogang:20080216#p1)に続いて桐生が舞台かと思ったが、その手前の川股宿というところが舞台だった。ストーリーだけみれば、どちらかといえば『彌太郎笠 前篇 後篇』のほうがおもしろいかもしれない。メロドラマとしての魅力は、やはりちょっと乏しい。ヒロインが水原真知子というのも地味すぎだが、誰かと思ったら大阪夫人だったのね。田中春男が悪代官に出世しているのが笑えた。

ひさしぶりに天龍で餃子を食べて帰る。