実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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“D-Day”(Nikhil Advani)[C2013-16]

PVR Koramangalaで、Nikhil Advani(ニキル・アドヴァーニー)監督の“D-Day”(facebook)を観る。ヒンディー語。Arjun Rampal(アルジュン・ラームパール)、Irrfan(イルファーン)、Rishi Kapoor(リシ・カプール)主演。

  • わたしは初めてだが、『たとえ明日が来なくても』『チャンドニー・チョーク・トゥ・チャイナ』が日本でも公開されているNikhil Advani監督(『アジア映画の森 - 新世紀の映画地図』にも項目が設けられている)の新作。
  • インドの諜報機関RAW(Research and Analysis Wing)の工作員4人が、パキスタンのカラチに潜伏するテロリストを奪還しようとする話。実在の人物を念頭において作られているようで、インドとパキスタンの対立、インドにおけるヒンズー教徒とイスラム教徒の対立などに踏み込むとモヤモヤしそうだが、台詞もわからないのでフィクションとして楽しませてもらった(ハリウッド映画だとそういうふうに楽しめないのだけれど)。
  • キャストは、テロリストがRishi Kapoor、メインの工作員がIrrfanとArjun Rampal。とにかくアルジュンがかっこいい。一部でインドの阿部寛と言われているが、阿部寛より断然かっこいい。
  • 女性陣は、工作員のひとりにHuma Qureshi(フマー・クレシー)、カラチでアルジュンを匿う娼婦にShruti Haasan(シュルティ・ハーサン)、パキスタンに潜伏して偽装生活をしているイルファーンの奥さんにShriswara。フマー・クレシーは誰かに似ていると思ったけれど、イザベル・アジャーニだったか。顔はかわいいけれど活躍はいまひとつで、顔に傷のある、女の顔は履歴書といった感じの娼婦を演じるシュルティ・ハーサンがメインっぽい。Shriswaraはこれがデビュー作らしいけれど、ちょいとカトリーナ似な感じでなかなかの好演。
  • まず作戦の実行が描かれ、次にそれまでの経緯が描かれ、それから作戦失敗後にどう挽回するかが描かれるという構成で、最後まで目が離せない展開でおもしろかった。イルファーンが深く愛するパキスタンの家族とのシーンや、アルジュンとシュルティがつかの間心を通わせるシーンなど、ドラマ的な要素もほどよく盛り込まれている(香港映画だと、そこが情緒的すぎるんだよとか思ってしまうのだけれど)。パーティーで客が歌に合わせて踊るシーンや、歌を流しながらのイメージビデオ的ラブシーンはあるが、いわゆるミュージカルシーンはない。
  • 主な舞台はカラチで、ロケ地はアーメダバード。Sentossa Greenland(facebook)という住宅地みたいなところで撮影されているらしいのだけれど、なんなのここ? マーライオンがいるよ。