実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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“Bhaag Milkha Bhaag(ミルカ)”(Rakeysh Omprakash Mehra)[C2013-15]

PVR Koramangalaで、Rakeysh Omprakash Mehra(ラケーシュ・オームプラカーシュ・メーラ)監督の“Bhaag Milkha Bhaag”を観る。ヒンディー語。Farhan Akhtar(ファルハーン・アクタル)主演。

  • 陸上選手ミルカ・シンの半生を描いた伝記映画。
  • 陸上選手としての類まれな才能と努力、少年時代のトラウマとその克服、そしてミルカのお茶目な性格。この三つがこの映画の柱であり、それらを互いに絡めながらミルカの半生を描いている。ここで重要なのは三番めのミルカのお茶目な性格。それを描くことによって、近づきがたい雲の上のヒーローを、あなたやわたしと同じような等身大の人間として描くことに成功していると思う。それがこの映画の新しいところ。
  • しかし、トラウマになった少年時代のエピソードやパキスタン選手との対決シーンは、これでもかというように盛り上げて描かれていてがっかりした。
  • ふつうのナショナリズムはもちろん、スポーツナショナリズムも大嫌いなわたしとしては、やっぱりちょっと引いてしまうところはあった。わたしはインド人ではないのでナナメから冷静に見ていたけれど、もしインド人だったらもっと「ケッ」となったと思う。
  • 監督はおそらくインドの国民的映画を作ることを志し、国内の映画賞独占やそれなりのヒットから、その試みは成功したのだと思う。ベタな描き方や、ダンスなしでもいける内容なのにあえてアイテムナンバーを入れているところも、そう考えると納得がいく。勝手な想像だが、ミルカがマジョリティではなく、パキスタン出身のシク教徒という「ちょっとマイノリティ」なところもインド人が感情移入しやすいのではないかと思う(ムスリムやすごくマイノリティだったらこうはいかないのではないかと)。
  • いちおうヒロインのSonam Kapoor(ソーナム・カプール)は、出番が少ないながらカラフルな衣装とっかえひっかえでかわいかった。
  • インド人、エッチシーンで笑うのはやめてもらいたい。