実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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“Bombay Talkies”(Karan Johar, Dibakar Banerjee, Zoya Akhtar, Anurag Kashyap)[C2013-05]

PVR Koramangalaで“Bombay Talkies”(facebook)を観る。ヒンディー語。インド映画100年記念映画で、Karan Johar(カラン・ジョハール)監督、Dibakar Banerjee(ディバカー・バネルジー)監督、Zoya Akhtar(ゾーヤ・アクタル)監督、Anurag Kashyap(アヌラーグ・カシャプ)監督によるオムニバス。短篇タイトルは、それぞれ“Ajeeb Dastaan Hain Yeh”、“Star”、“Sheila Ki Jawaani”、“Murabba”。

インド映画100年記念なのに公開規模が小さいと思ったら、あまりインド映画らしくない、(インド人以外からみて)ふつうの映画だった。歌や踊りはストーリーのなかに組み込まれて登場するが、本篇中には突然の歌と踊りはない。その代わり、4話めが終わってエンドマークが出たあとに、オマケ的に歌と踊りのシーンが用意されている。多数の豪華スターのゲスト出演があると聞いていたのにぜんぜん気づかなかった…と気落ちしていたら、彼らの登場は本篇ではなくこのオマケシーンで、豪華スターが次々に登場して主題歌“Bombay Talkies”を歌う。映画自体は、歌って踊って楽しくハッピーエンドというものではないのに、終わったらbombay talkies♪って口ずさみながらウキウキしてしまっているという、ずるいというか心憎い仕掛け。このゲストのトリはもちろんShah Rukh Khan(シャー・ルク・カーン)。その登場のしかたが笑っちゃうほど「ザ・スター」という感じで、最後に盛り上げてもらった。ゲストは一部しかわからなかったけれど、半年後くらいには全員難なくわかるようになっていたいものである。

本篇は、なんと4話中2話(“Ajeeb Dastaan Hain Yeh”, “Sheila Ki Jawaani”)までがアジアンクィア映画祭で上映されてもおかしくない内容でちょっと驚いた。そういう意味でも観客を選ぶ映画かも。でもやはりそのふたつがおもしろいのであった。

Katrina Kaif(カトリーナ・カイフ)とAmitabh Bachchan(アミターブ・バッチャン)が本人役で出演しているほか、過去の様々な映画への言及があると思われるが、言葉の壁と知識不足によりそのあたりはよくわからない。そういった元ネタ的なものがわかるとおそらくもっと楽しめるだろう。東京国際映画祭あたりで上映されてもおかしくない映画だと思うので、日本語字幕で観る機会があることを期待したい。