実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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『サイの季節(Fasle Kargadan ha)』(Bahman Ghobadi)[C2012-28]

有楽町朝日ホールで、バフマン・ゴバディ監督の『サイの季節』を観る。第13回東京フィルメックス(公式)の特別招待作品。

  • イラン革命後、30年間獄中にあったクルド系イラン人の詩人を主人公にした力作であり、映像的にも凝っている。しかし、好きかと言われるとそうでもない。
  • 革命による立場の逆転に私情が絡むところなど文革映画を思わせるが、いちおうは国内でも撮れる文革映画とは違って、イランを出たからこそ撮れたであろう映画。しかし考えてみれば、イランを出た監督は多いが、出てから体制批判的な映画を撮っている監督はほとんどいない気がする。
  • 主な舞台はイスタンブール。わたしにとってトルコは、アジアのなかでは比較的興味のうすい場所であるが、洗濯物が中国干しされた路地とか、波がざぶんざぶんかかる海辺とか、なかなか興味深いロケ地選びがなされていた。
  • 詩人の妻を演じるモニカ・ベルッチは今まで見たなかでいちばんよかったけれど、チチ垂れすぎだと思う。彫師になっていたというのはなかなか驚愕の展開だったが、もちろん唐獅子牡丹や昇り龍は彫らない。