東劇で、相米慎二監督の『ラブホテル』(東京フィルメックス)を観る。第12回東京フィルメックスの特集上映「相米慎二のすべて -1980-2001全作品上映-」の一本。19年ぶり二度め。
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- 発売日: 2007/06/22
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男はストイックで、女は楽天的だと思った。横浜港で、村木(寺田農)が名美(速水典子)に近づくと名美が後ずさるところ、ラストの石段で名美と村木の元妻(志水季里子)がすれ違うところが好き。そのあとで、桜の花びらがはらはらと散ればすごく叙情的なラストになるけれど、叙情を断ち切るようにぶわっと大量の桜吹雪が舞うのも、観るたび驚くけれどいいと思う。あの石段は谷中らしいので、ぜひとも行ってみたい。
速水典子はすごく美人というわけではなくて、最初はそんなにいいと思わないのだけれど、観ているうちにどんどんよくなる。ただ、薬師丸ひろ子とはまた違うけれど、やはり言葉づかいがオタクっぽく、「○○ですよ」といった語尾がかなりつらい。また、80年代ファッションがひどい。ところで、夏目雅子、風祭ゆき、速水典子は顔の感じが似ていると思うが、相米監督の好みなのだろうか。
ラジオから流れる曲として使われている山口百恵の『夜へ…』と、挿入歌的に使われているもんた&ブラザーズの『赤いアンブレラ』が、映画の雰囲気にも合っていてとてもいい。この2曲の印象が強いけれど、もう1曲『赤い靴』も、志水季里子が口ずさむ曲として使われている。映画とは関係ないけれど、あらためてこの曲を聴くと、赤い靴はいてた女の子は上海のフランス租界の娼館に売られたにちがいないと思う。