実録 亞細亞とキネマと旅鴉

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『花と怒濤』(鈴木清順)[C1964-04]

同じくシネマヴェーラ渋谷の特集「鈴木清順 再起動!」(公式)で『花と怒濤』を観る。21年ぶり二度め。

初見のときの印象は「とにかく川地民夫がかっこいい」だったのだけれど、今回観たら小林旭のほうがかっこよかった。川地民夫は最初の登場のときのインパクトはすごいが、あとはなんとなく失速気味。

他人の花嫁・松原智恵子を奪って逃げた小林旭小林旭を追う川地民夫川地民夫を追い、松原智恵子に入れあげる刑事・玉川伊佐夫、小林旭に思いを寄せる芸者・久保菜穂子、旭を助ける財界の大物・滝沢修。これに土方の現場での待遇改善問題、二つのヤクザの組の対立、親分の裏切りなどが絡む構成は、登場人物、ストーリーが複雑すぎて、うまくまとまっていない印象を受ける。

アキラはかっこいいし、ラストの雪の新潟港のシーンは、いかにも鈴木清順木村威夫的なヘンさですばらしいのだけれど。